音声録音

 信長・秀吉・家康の声を聞いてみたいと思ったことがある。伊達政宗の声らしきものを聞いた時である。墓所である瑞宝殿の修復時に、埋葬されている遺体が発掘された。骨格が良く残っており、顔も再現された。端正な顔立ちである。顔骨を基にしてこんな声だったろうとテレビから流れ出た。

 戦国武将の肖像画や肉筆の文字は残っているが、当然ながら音声はない。録音が出来るようになったのは、たかだが120年前のことにすぎない。蝋管というシリンダー状のものに、レコードのように針で凹凸を入れてゆくものである。

 私が子供の頃はまだゼンマイ式の蓄音機が幅を利かせていた。電気式の増幅器などはなかった時代で耳をすませて聞いていたことを回想している。
 磁気テープの録音が一般化するのは、昭和40年台に入ってからで、昭和50年頃にピークを迎えたのである。在職した会社が製造するパーマロイ材料が大量に出荷された。磁気録音そして再生ヘッド用の材料としてである。
 繰り返し何度も再生するとテープに擦られて、磁気ヘッドが磨り減り音質が悪くなるというクレームが市場からメーカーに寄せられ、磨耗しにくい材料をつくれという要求がきた。どういうわけかモリブデンの添加がよく効いたのである。その他に磁気ヘッドは樹脂でガチガチに固められるので、それでも性能が落ちないものとか、いろんな改善要求があったものである。
 VTRの時代も、このヘッドは続いたが、全盛期はそれほど長くはなかった。デジタル化の波は、こんな材料をも吹き飛ばしてしまった。a0021554_2027136.jpg

 当時は「IC」の性能も飛躍的に伸びている時代だったので、音声録音もやがてワンチップに収められるだろうと思っていたら、写真の如きボイスメッセージというグッズが千円程度で発売された。ペンでメモする代わりに声のメモを残しておくのだ。一回当たり10秒程度を録音できるものだった。これまた古いものを整理していたら出てきたものだった。世紀が変わる直前の頃のものだ。まだ動いている。10年前の声が出た。
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Commented by ようこ at 2009-12-07 07:02 x
「ボイスメッセージ」わが家にも似たようなグッズがあります。
自分の声や身内の声を入れておいて、仏壇の引き出しに入れておくなんていう使い方もいいかなと思いました。家族が後で、故人の声を聞くことができます。真面目なことだけでなく、ユーモアのあるひと言を入れておくのもいいかも。
Commented by watari41 at 2009-12-07 10:56 x
 仏壇の引き出しに保存とは面白い。法事の度に聞いてもらうんですね。
書いたものより生々しいですね。「浄土が見えてきたとか」・・・。
 テレビで蝋管の再現で、明治期にアイヌの唄を歌う老婆の声が録音してあったのです。家族の前で再現したら、これまた老婆がおばあちゃんだと涙を流して喜んでいたのを何十年も前に見た記憶があります。ようこさんコメントをありがとうございます。
Commented by クオリア at 2009-12-07 18:12 x
録音技術も進歩したものですね 記者会見の時等ではデジタル録音機をもった記者達の手ら乱立しているのを見ると録音機の進歩を感じます。私も散歩の時にはポケットに入れています。が軽量で使い勝手がよく音質もSPに接続すれば良いですね。watari41さんから昔をおもいださせていただきました ありがとうございました。
Commented by watari41 at 2009-12-07 21:27
 朗読がたくさんありますね。クオリアさんの音声はずっと残ることでしょうね。録音機はあまりにも進歩しすぎてしまいました。機密情報などがどんどん漏れる時代になるかも知れないと思っているんです。音質も良くなりました。コメントをありがとうございます。
Commented by moai at 2009-12-08 09:18 x
昭和の時代、コンピュータと言えば大きな磁気テープが回転している場面が映し出されていましたね。音をたてて回転する磁気ディスクとともに構成されるシステムにパンチカードで入力していた時代、会社の巨大ビジネスコンピュータシステム容量は何と今のパソコンの10万分の1以下でしたからね、あの時代貴重なメモリーをいかに無駄なく使うか、カタカナを使って電報のようなメッセージで出力したのを思いだします。
Commented by watari41 at 2009-12-08 11:00 x
 大正13年生まれの国鉄職員の方がいました。moaiさんがいう、そんな時代に、そういうものを扱っていたんですね、そのテープを背負って仙台から盛岡までデータを運んだとか。その方が80歳近くなって、パソコンをやりたい、かつてはコンピュータを扱っていたので何とかなるだろうというのです。しかし和文入力などをはじめたら、唸りだしました。これはまったく違うものだ。私は石器時代から現代にタイムスリップしたようなものだ、火打石の時代だったと言って諦められたのです。コメントをありがとうございました。
Commented by schmidt at 2009-12-09 16:22 x
電池で動くんですか?1回、10秒というのは、当時の技術水準だったんでしょうか。それとも、10秒ということに何か意味があったんでしょうか。
Commented by watari41 at 2009-12-09 22:26 x
 開いて見たらボタン電池が6ケ入っておりました。9ボルトで動くようになっているのだと思います。一回10秒といのは、当時の技術水準ですね。一回の記録は10秒もあれば良いだろうということで、意味のある数字ではありません。これを10回、つまり100秒間をつかえるということです。当時は1Mでしたか4MのICメモリーが出来た頃と思います。
 昔は新聞何ページがはいるメモリーができたなどがニュースとしてありましたが、音声はまだまだと思っていたら、その進歩は早く、いまやiPOTの時代ですね。schmidt さんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2009-12-06 20:34 | Comments(8)