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余日録


by watari41

一分一秒の回想

 電波時計を買った。10万年に一秒しか狂わないそうだ。しかし10年もすれば故障してしまうだろうから、あまり意味のない精度でもある。ソーラータイプの腕時計なので、電池の交換も必要ない。時計は行き着く所まで行ってしまったようだ。私の回想のみならず、人類としての一つの目標を達成したといえよう。

 一秒を争うということはよくあるが、時刻としての一秒を問題にすることは日常生活ではないと思う。特に高齢者になってからは特にその感が強い。では、何ゆえに精度の高い時計を持ちたいかというと、一種の憧れだったようにも思う。

 子供の頃には、大きな柱時計のゼンマイを巻くのが日課だった。数分の狂いを振り子を上下して調整するのだが、なかなか合うことはない。ゼンマイの温度特性とか、いろんな要素が絡み合って一分以内に合わせることは困難だったものだ。
 列車に乗ると駅長さんが懐中時計をだしてチラリと見ていたものだが、今にして思えばどんな精度だったのだろうかと思う。当時の時計の精度はゼンマイで決定されていた。
 鋼のゼンマイから、コバルトなどが入った合金のバネが出来て、温度によって左右されることは無くなった。機械式時計の究極のものができた。本多光太郎さんから増本量さんへと続く、仙台の学者によってなされたものである。
 
 しかし、時代は急変したのである。電気仕掛けの時計が出現した。トランジスタ時計である。ネジを巻く必要がなく精度も高かった。そうこうしているうちに、究極の時計と言われるクオーツがセイコーで発明された。パーマロイそして磁石が決手になる。その担当者が諏訪市から仙台にやってきたことを、いまだ鮮明に記憶している。この特許は世界に公開するつもりでいる。誰が使っても良いものとするのだ。世の中の時計はすっかり変わるだろうということだった。その量産試験の材料を提供した。もう30年も昔のことだ。
 
 電波でクオーツを補正する時計も、かなり前から出回ってはいるが、従前から掛けていた時計が壊れたのでやっと手にした次第なのである。
 
Commented by moai at 2009-11-29 09:18 x
思い出しますね、子供のころ柱時計を毎日ねじを巻いていたおやじに代わって自分が手が届いてできるようになった時のちょっと得意な気分、ラジオの時報に合わせるのですが毎日2-3分はくるっていました。
いまは、手元にある会社の仮想netにつなげるためのSECUR cardは1分ごとに6桁のパスワードが変わっていて、これ電波時計でなければできない技ですね。精密、機密、プライバシーこんなものでがんじがらめの世の中になってきている感もあります。
Commented by watari41 at 2009-11-29 14:37 x
今だに現役ですか。すごいことです。無線は誰にでも傍受できるので、安全対策が重要なんですね。便利になった半面で他人の無線LANに入るのも容易なんですね。昨日のニュースではエプソンが無線のプリンターを作ったとか。今や知らない間にいろんな電波が飛び交っていますね。
昔は個人が電波を出すということは容易ならざることだったんですが、時代がかわりました。moaiさんコメントをありがとうございます。
Commented by schmidt at 2009-11-30 00:09 x
 バブル全盛のころ、時計にとんでもないお金をかける人が周囲にも増えました。若い頃からいい時計へのあこがれはありましたが、70万円もする時計をぎらつかせる人たちを見て、なんだか違うなと思いました。そのころから2000円、3000円の時計をわざと買い求めるようになりました。嫌な時代へのささやかな抵抗のつもりだったですね。そのうち携帯の時計を使うようになったので、時計は全く不要になりました。
 ただ、娘が結婚するときにくれた時計だけは時々、使っています。
Commented by at 2009-11-30 00:17 x
私の記憶が定かではないのですが、昔、watariさんのお宅に大きな大きな柱時計♪ 大きなのっぽの古時計・・・♪みたいなのがありましたよね!?
Commented by watari41 at 2009-11-30 16:12 x
 豪華な時計が流行した時代がありましたね。これみよがしに腕まくりをするんですね。あの時代はなんだったのでしょうか。人間の時計に対する思いの爆発みたいなところもありますが、チョット違うんですね。今から考えるとおかしな時代でもありましたね。schmidt さんコメントをありがとうございます。

 Mさん、そうです。大きな古時計です。毎時ゼロ分には、ゴーン、ゴーンと時刻の数だけ鳴ってました。よく憶えてましたね。コメントをありがとうございます。
Commented by michiko at 2009-11-30 17:26 x
新しい時計を身につける・・・ヤッパリ嬉しいものですよね。

機械が狂いの無いことは素晴らしいのですが、
私達が間違ったり勘違いしたり、遅れたりするのですから
少しアバウトで無駄があり余裕が感じられるほうが
人は生きるのにはラクなにかもしれないと、
この頃思ったりするのですよ~~。
Commented by watari at 2009-12-01 17:10 x
 この時計は進んでいるはずだら、まだ大丈夫だ間に合う、などいっていたころが懐かしいですね。
 時計は安くなりました。普通の時計が盗まれるなどということはないですね。
 余裕ですか。時間通りに来たと思ったら一日遅れだったなどというような年齢になりつつありますね。michikoさんコメントありがとうございます。
by watari41 | 2009-11-28 18:33 | Comments(7)