太平洋戦争のこと

 平和ボケであるとか、何だとか言われたのは20年も前のことだろうか。今年も終戦の日がやってきた。NHKの特集番組に旧海軍将校による反省会の録音などの放映があった。こんなものがあったとは驚きだが、後世に事実を残そうと昭和50年頃に始まったものだそうだ。
 海軍の開戦への決断は、陸軍に抗しきれなかったというものだ。反対を続ければ、海軍は陸軍に乗っ取られてしまうと考えていたらしい。それまでも陸軍は、5.15事件、2.26事件と政府首脳を暗殺してきている。今度は海軍だと思ったようだ。

 山本連合艦隊司令長官はそこで真珠湾奇襲攻撃を考え成功させた。そしてもう一つ勝って和睦を計ろうとした。録音にはなかったが、山本長官は近衛首相に最初は暴れてみせましょう、だが早々に有利な条件で和を結んでくださいと言ったのは有名な話として伝わっている。それが次のミッドウエイ海戦だったのである。
 だがこれは当時の海軍内部からみてもあまりに拙速だったようだ。長官は米軍の準備が整わないうちということだったらしいが、逆に日本軍の準備がまったく不足だったらしい。山本長官は焦っていたのだ。時間が過ぎるほどに日本は不利になる。最後は永野軍令部総長が真珠湾の実績を評価して承認したが、結果は惨憺たるものに終わった。

 この軍令部というのが、おかしな組織だったと戦後のいろんな論評で、指摘されていた。天皇直属の機関で、その統帥権を肩代わりして絶大な権限を有していた。作戦を遂行するのに陸・海軍の参謀総長の他に、それ以上の権限のある軍令部があった。それを無視すると統帥権を犯したということで大変なことになったようだ。この組織が後々に、おかしなことになり支離滅裂な作戦がでてきたりする。20万人の陸軍をニューギニアに置き去りにしたりする。

 この組織は明治憲法の大きな欠陥でもあったのだろう。ひるがえって現在の憲法は、平和と理想を高らかにうたってあり、非現実的だとも言われるが、64年間、大部隊を海外に派遣せず平和を保ってきたのも憲法の制約があった為だ。
 ともかくも400時間も録音した旧海軍将校の記録を無駄にしてはならないだろう。昨16日は戦中の裁判官のドラマをやっていた。立派な方がいたものだ。なるべき人が裁判官になっていたのだ。そして戦後に法律に反することはしないとして配給だけで餓死した判事がいたことを回想する。
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Commented by moai at 2009-08-18 11:31 x
そのNHKの番組みそこなったので残念に思っています。当時の陸軍と海軍の間の世界観の差が大きかった事がよく言われていますね。ドイツしか知らない陸軍と英米をよく知っていた海軍、さらには視野の狭い陸軍将校のテロの恐怖などが作用し合っていたのでしょう。
現在は5人集まれば誰かの子弟が海外にいるという世の中、このグローバル化の中で先のような大戦は起こり得ないと楽観していますがテロとテロ組織の核装備だけは恐ろしいですね。
Commented by watari41 at 2009-08-18 21:58 x
3日間連続でみました。ほとんどの話は、いろんな作家が書いており、わかってはおりましたが、実話は迫力があります。
開戦前の海軍首脳部は、米内海軍大臣(岩手)、山本次官(新潟)、井上軍務局長(宮城)とリベラルな方が揃っていて、相当に抵抗したらしいのですが、大勢に逆らえなかったんですね。
今日の新聞によると、オバマさんもアフガン戦争はやむなしと言っているようですが、困ったことになっているものです。
日本もグローバル化はしたものの、外国からは違和感をもってみられるという、おかしなことになっているんですね。moaiさんコメントをありがとうございます。
Commented by クオリア at 2009-08-20 11:23 x
食糧枯渇していた時代には大きな農家が裕福な時代でしたね。食になるものは餓死しないためになんでも食べました。お金は通用しないので物々交換でした母の着物が無くなって行きました。つらい思い出ばかりです。
現代は核の脅威が高まっていますね 恐ろしいことは死をおそれない人間ですね 特攻のテロが脅威を与えています 野球場のスタンドにも不審な荷物があったら係員までと注意喚起されています。平和で平和の脅威を感ずる時代ですね
Commented by watari41 at 2009-08-20 13:13 x
 平和な時に農家が困窮するというのもおかしな話なのですが、現実なのですね。お金が通用しなくなる時、それは国の借金が増えすぎて、お金の価値がなくなる。そんな時代が再来しないとも限らないといわれてますね。
死を恐れない人々、アラーの神に召されることを喜ぶとは困ったことですが、その心情を我々は理解できないんですね。
by watari41 | 2009-08-17 10:23 | Comments(4)