人間の脳磁気

 脳梗塞は何の前触れもなく突然にやってくるそうだ。わが農協が組合員への健康診断で、その検診をMRIで行っている。仙台の検診施設までバスで連れて行かれる。検診料金は一万円以上を要し、一日が潰れてしまう。検診案内をもらったが今年は見送った。脳の断面写真から血流が細くなっているところを探してくれる。問題なしとか、処置を要するとかの判定をしていただく。

 この脳内血流の細りを簡単に見つけるため、人間の脳が発する磁気を測定して、脳梗塞の前兆を掴むことに成功したとの記事が、先日の河北新報に掲載されていた。
 脳磁気を測定すればよいだろうことは、前々からわかっていたらしいが、容易なことではない。その脳磁気は超微量だからである。地球磁気の一億分の一程度であり、なおかつ地表上には、電線だとかいろんなところから発する磁気雑音が、脳磁気の百万倍以上も存在している。これらをシャットアウトした上でなければ、脳の磁気は測定できない。

 仙台に脳関連の病気を得意とする広南病院がある。そこから磁気をシールドするルームの注文をもらった。20年も前のことだろうか、3千万円ほどの物だった。職場の同僚が指揮をとって納品した。その室内は地球磁気とか磁気雑音をゼロには出来ないが、10万分の一程度には小さく出来る。
 当初は、てんかん発作の人を事前に発見しようとの試みだった。その後に。いろんな工夫をして、脳磁図というものを計測できるようになったということなのだろう。何しろ、そんなわずかな磁気を測定するセンサーというのも容易なものではない。絶対零度近くのマイナス270℃近くで動作するセンサーなのだ、液体ヘリウムで冷やして使うのである。
 人間の脳のどこから、どういう磁気がでているかということを調べる。地図と同じようなものなので、脳磁図と呼ぶ。この言葉はもう何十年も前から聞いている。いろんなところで基礎的な研究がなされていた。標準的な脳磁図ができれば、それとの比較で簡単に判定ができる。
 MRIは医師が画像を見てのアナログ的なものだ。脳磁図はデジタタル計測ということになるのだろう。
 脳の磁気は血流に含まれる極微量の「鉄分」によるものだと考えられる。血管の内側には、歳をとるといろんなものが詰まってくる。自覚症状は出ないのだそうだ。発病前に見つけてもらえばありがたい。
 医学に磁気が絡まっているものは結構多い。こんな話がでるたびに在職中のことを回想をするのである。
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Commented by ようこ at 2009-08-10 06:51 x
CTより、MRIの装置の方が高額で、MRIの検査のできるところは、限定されますね。
仕事で係わったことが、退職しても社会の動きとつながっていらっしゃるような感じですね。
Commented by watari41 at 2009-08-10 09:39 x
 在職中のほとんどのことは、もはた博物館に入っておりますが、それでもまだ、最先端の分野で生き残っているものがあるんです。ようこさんコメントをありがとうございます。
Commented by クオリア at 2009-08-10 11:24 x
MRIのコ~ンコ~ンと聞こえる音はなんとも不気味に感じます。

ピンコロを望むところですがこれだけは天命に従うしかないですね。
Commented by watari41 at 2009-08-10 15:36 x
 磁歪の音なんです。磁界が反転する時に、磁気材料が(珪素鋼板だと思いますが)伸びたり縮んだりする時に発する音なんです。
 昔の柱上トランスや変電所でジーンという音がしてましたが、あれは50Hzで、伸び縮みする音なんです。耳で聞くというより体で感じる低周波音ですね。クオリアさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2009-08-09 11:29 | Comments(4)