時空を越えて:前

 「時の流れに身をまかせ」、「いつかは忘却の彼方へと・・」。時間の経過とはいったい何なのであろうかと思うことがある。

 詩情の世界のみならず「物理学最先端の問題」でもあるようだ。2009年5月号の科学雑誌「ニュートン」は、「時間とは何か」を特集している。我々凡人はそこまで意識することはないが、2千年も前の哲学者アリストテレスは、矢を放つことを例に過去・現在・未来を考察している。

 時間を意識したのは、宇宙旅行が話題になり、光速に近づくと歳をとらなくなる。すなわち時間が遅くなると言われたことからだ。浦島太郎みたいなことになるのだという。アインシュタインの相対性原理に源を発することらしい。

 過去とは何か、未来とは・・、など当たり前のことをどうしてということになる。だが、そう簡単なことではないようだ。数学的にはプラス、マイナスの符号がひっくりかえると、過去と未来は逆になるとか。そうはいわれてもピンとはこないが、SF小説にそんなものがあった。タイムトンネルというのもそんなことだ。現代の人気小説家「宮部みゆき」さんが時空を越えた作品を書いている。

 137億年前のビックバンで宇宙が発生して、そこから時間と空間が出てきた。では、それ以前は何があったのかという疑問が当然湧いてくる。何もないとか、わからないというような答えになるようだ。

 我々は、ビックバン以降の世界に住んでいるのだから、それ以前のことを聞かれてもということになるのだろう。三次元世界で時間と空間を感じている。ビックバン以前に何があっても、人間には理解できないのだろう。

 時間とは、エネルギーでもある。時間と共に宇宙は膨張している。とてつもないエネルギーを発生しているというか消耗している。有名な公式があった。エネルギーは(質量×光の速さの二乗)なのだ。
 宮部さんの小説では、過去から未来にすり抜けると、はなはだしい体力消耗が起きてしまうという設定なので理にかなっている。

 かつて、忙しかった頃、時間は自分で作るものだなどと言われた時代が懐かしい。いまや自然の移ろいに身をまかせる年齢となった。確実に時間は過ぎてゆくのだ。
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Commented by クオリア at 2009-04-25 10:14 x
時間は人を待たず のとおりですね アットゆうまに一日一日飛び去ってゆきます。 この世に生まれたと同時に秒針がスタートたちまち歳をかさねてしまう心肺停止してからの世界はなにかと 愚かなことを思うこのごろです
Commented by michiko at 2009-04-25 17:05 x
「年年歳歳花相似たり、年年歳歳人おなじからず」という言葉が最近よく思い浮かびます。
自然の移ろいに身を任せていても世の中の変化のスピードが加速度的になったと思うこの頃ですよね。
Commented by watari41 at 2009-04-26 09:59 x
心肺停止したら、すべてが終わるんでしょうね。その人にとっての過去も未来もなくなる。そんなことを次号に予定してます。クオリアさんコメントをありがとうございました。

michiko さん、これまでの歴史がひっくり返るようなことを我々世代はいくつも経験させられているんですね。そんなこともこれからの話題にしてゆきたいものだと思ってます。コメントをいただきありがとうございます。
Commented by moai at 2009-04-27 15:18 x
”自然の移ろいに身をまかせる”いい言葉ですね、この年になってそのことを実感します。西欧的な人間謳歌は所詮不自然です。つつましく”大河の一滴”としておごらず、くじけず人生を全うしたいものです。
Commented by watari41 at 2009-04-27 15:32
良い言葉がたくさんありますね。無常観から出てくることなのでしょうか。歳を重ねて初めて理解できることも結構ありますね。moaiさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2009-04-24 09:42 | Comments(5)