冬日記/寒中に想う

 1月も中旬である。一年中で最も寒い時期に差し掛かった。寒さには人一倍弱い。冬が苦手である。人よりもかなりの厚着をしている。頭の薄さも加わった。脳天からの寒さは堪え難いものがある。毛糸の帽子が離せなくなってしまった。頭髪は人間の外見を整えるだけではないのだ。東北の湘南といわれる我が町も私にとっては北限である。
 冬の利点は雑草取りが不要なことくらいだ。多くの生物の中枢は地中にあり、来るべき春に備えている。
 時折、舞い降りる雪が庭の木々に薄化粧のプレゼントをしてくれる。風雅な眺めもわずかな時間で消えうせるが、冬の救いといえよう。

 暖かくさえあれば冬も悪くはない。しかし寒ければこその冬である。12月の風物詩となった仙台光のページェントを、20年ほど前の始まった頃に震える寒さのなかで歩いたことがあった。暖かい日に見ればさぞ気持ちが良いだろうと、勝手な想像をめぐらした。そこで気温の高い日に行ったのである。ところが光景に締まりがないのだ。光の回廊は、やはり凍てつく寒さの中で見るべきものだと思ったことがあった。

 四季は、地球の回転軸が太陽に対して23度も傾いていることから起る。おまけに細長い日本列島は周囲を海に囲まれ適度な水にも恵まれている。だが太平洋沿岸の仙台周辺地域は冬に晴天の日が多い。すっきりと晴れるのである。

 散歩コースに、標高30mほどの小高い公園がある。大気が乾燥しているので、風景の解像度が高い。海がよく見える。その先に牡鹿半島が延びて、突端の島である金華山がくっきりと目に入る。湾の中央には仙台港を出た大型の白いフェリーがポッカリと浮かび、ゆったりと南に向かっている。視界から消え去るのにしばらくの時間がかかる。太陽は高いが風が冷たい。
 公園には大きな池がある。子供の頃は厚い氷が張ってスケートができたものだった。今やそんな風景はない。氷を見ることも少なくなった。年々暖かくなってきているのを実感しているが、こちらが歳をとるぶんだけ寒さを感じやすくなっている。体感気温という表現があるが、その上に年齢という言葉を追加したくなる。
 
[PR]
Commented by schmidt at 2009-01-16 10:33 x
 「風景の解像度」とはいい表現ですね。仙台周辺など太平洋側は好転が続くのありがたいです。西のみなさんからすると、仙台も札幌も同じイメージらしいのです。知人にそういわれるたびに「冬の仙台の天気はピーカンで雪も少ないのだよ」と言うことにしています。これからは「風景の解像度が高くていいところであるぞ」と付け加えることにします。

 
Commented by watari41 at 2009-01-16 11:26
 仙台の冬は、来たことがない人にはわかんないんですね。「解像度」とは、おかしな言葉だなと思いながら「明瞭度」と書き換えてみたり、思考錯誤をしてたところでした。
 ピーカンという表現を使ってましたか、ピタリと言い当てる表現方法とは難しいものですね。schmidt さん、コメントをありがとうございました。
Commented by ようこ at 2009-01-16 17:12 x
私も寒いの大苦手。冬は朝5時からタイマーで家中暖房しています。我が家の一番の贅沢です。寒いと肩もこるし、いいことはホント草が生えてこないことと、夜空の星がきれいですね。

寒さは厳しいのですが、太陽の光りは強くなったような気がします。
Commented by michiko at 2009-01-17 06:24 x
「風景の解像度」、な~るほど!! いい表現ですね!
海の見える風景は気持ちも広くなり開放感があり大好きです。
ここ、泉区のパークタウンからも蔵王が真っ白に輝いて見えて いつも立止まって暫く眺めているんです。
 
Commented by watari41 at 2009-01-17 08:58 x
星空の解像度も上がるような気がしますよね。家中を暖めることこれが、現代最高の贅沢なんですね。我が家も灯油ストーブをガンガンたいてます。ようこさん、コメントをありがとうございました。

 晴れた日に蔵王も鳥の海温泉から眺めると大変によい眺めなんです。先日はご覧になりませんでしたか。温泉は海を向いてましたか。 michiko さん、ありがとうございます。
Commented by moai at 2009-01-17 10:15 x
仙台は風光にめぐまれ冬は温暖、夏は涼しく実にいいところですね、日立市から仙台辺りまででしょうか、そのような恵まれた気候は。それでも西日本では一般には東北、北海道と同列に認識していますね。
その恵まれた風土、世界でもアメリカのサンフランシスコとかごく限られた地域だけではないでしょうか。元気でぜいたくな気候風土を楽しんでください。
Commented by watari41 at 2009-01-17 14:45 x
 お国自慢みたいなことになってきました。世界中を駆け回ってきた姫路のmoai さんに、そういわれると面映いです。でも、たしかmoai さんとこの婿さんだったか嫁さんが、仙台の人だと聞いたことがありましたね。こちらを少しはご存知なんですよね。コメントをありがとうございました。
by watari41 | 2009-01-15 19:58 | Comments(7)