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余日録


by watari41

郷土の歴史(1)

 わが町に「三十三間堂遺跡」というのがあります。小高い山地に整然と並んだ礎石群があり、江戸時代には仏教関連施設のものと考えられたようで、このように名づけられたそうです。しかしこれを物語る文献資料などは一切無くて長年の間、謎の遺跡とされてきました。大正時代から学術調査がされてきましたが、なかなかわからなかったのが、昭和も末になってようやく明らかになりました。
 9世紀頃の役所の跡だったというのです。当時は多賀城に陸奥国府が置かれ要所に郡衙(グンガ)と呼ばれる出先機関があったようです。その中でも最大規模のものだったようです。敷地は10万坪以上の広大さで、礎石群から数百メートル離れた雑木林に政務を司どった正殿の柱穴などがあって確定されたということです。礎石群の用途はそこに倉庫が建っており、税として集めた米倉だったというのです。
 何らかの史料でも残っておれば、このようにてこずることはなかったのでしょうが、書いたものが無いというのは、いろんな憶測をよんで勝手な想像を膨らませてしまいます。平家に関係したものだとか数々の伝説も生んでいたようで、歴史的事実がどかに吹っ飛びそうなこともあったようです。
 この場所は平地から、かなり急坂をを登ったところにあるので、何故こんな不便な高台に思ったのですが、この少し前に仙台平野に貞観の巨大津波がきて、多賀城も被害を受けたことからの教訓かと推測した。
 現在は昔からの名前も残して「「三十三間堂官衙遺跡」との標識が立っている。
 
Commented by kei at 2004-07-12 22:38 x
何気なく通りすぎる場所に意外なものが有るのですね。
これからの郷土の歴史に期待してます。
Commented by watari41 at 2004-07-13 09:16 x
人の住んでいたところ全てに歴史があるのでしょうが、書いたものがないとわからないのですね。keiさんコメントをありがとうございます。
Commented by U-2 at 2005-12-28 14:06 x
はじめまして。
貞観の津波、異様に大きかったようですね。
東北大学の調査では、相馬の方が津波堆積物が厚いようです。この時代の遺跡からは、井戸跡などから、たいがい漆紙文書、木簡が出てきますが。
Commented by watari41 at 2005-12-28 19:44
 民間の津波研究者が数年前に「仙台湾の歴史津波」という本を書いたのをみたことがあります。その研究に基づき仙台湾沿いに巨大な構築物を設けるべきだとの提言を浅野宮城県知事にしたのです。さすがに受け入れられませんでしたが、そんな心配もありますね。
 貞観津波が、かように大きくなったのは、仙台湾の小島が巨大地震で陥没したのでさらに増幅されたともいわれ、水中探査の結果、その島のもものらしき鳥居が見つかったなどのテレビ報道もありました。
 わが町の遺跡からはまだ、漆紙文書、木簡などは見つかっていないのです。井戸も高台なのでそこにはなくて恐らくは下から水をくみ上げていたのだろうとおもうのです。
U-2 さん、コメントをありがとうございます。
Commented by U-2 at 2005-12-28 21:09 x
ご訪問頂き、ありがとうございました。飯沼勇義さんの語著作でしょうか。名著の誉れ宮城で高いと聞いております。民間にそのような提言をされる方がいらっしゃるというのは、とても貴重な事です。
仙台湾を囲うのは無理でも、女川原子力発電所の周りだけでも、津波防護壁で覆ってみてはいかがでしょう。
危急のときは、原子炉が無事、停止しますことをお祈りしております。  南無阿弥陀仏
Commented by U-2 at 2005-12-28 21:14 x
すみません。コメントが入らず、カチカチとクリックしましたところ、コメントがたくさん送信されてしまいました。どうなっているのでしょう。
Commented by watari41 at 2005-12-29 09:29
 百個以上の同じコメントが入っておりましたが、一個づつ丁寧に削除しました。30分ほどかかりかした。クリックというのは怖いですね。その数だけきちんとカウントされていて少し時間が遅れても全て出てくるのですね。あるいは、他のキーとの組み合わせで連続クリックみたいになってしまうことがあるのかもしれないですね。
  U-2 さん、ご心配をおかけしました。
 飯沼勇義さんでしたね。著作を通じてしかしりませんが、大変な情熱をお持ちの方なのですね。
Commented by U-2 at 2005-12-29 23:37 x
watariさん、大変な事になってしまい、お詫びの言葉もございません。最近、PCの調子がおかしく、制御できなくなります。本当に申し訳御座いませんでした。飯沼さんのように、地域に民間の地震災害の研究家がいるという事は、たいへんすばらしいことです。過去の災害の教訓が生かされます事をお祈り申し上げます。   良い年をお迎えください。     不乙
by watari41 | 2004-07-12 15:03 | Comments(8)