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余日録


by watari41

国のモデル

 夕張市が破産した。日本国そのものは大丈夫かと思ってしまう。何しろ千兆円もの借金を抱えている。いつ倒産してもおかしくない。
 夕張の破産とはどんなことだったのかと思っていた。引導を渡したのは銀行のようだ。地方自治体が倒れるなんて、これまでは考えられもしなかった。しかし、市政の運営には多額の資金がいるのだから、金融機関からの融資によるしかない。
 その返済は税金や国からの交付金が頼りなのである。返済が出来なければ破産に至るのは当然だが、民間会社では当たり前のことでも、なかなかピンとこないところがあった。
 破産のモデルケースに選ばれたのであろう。自治体といえど多額の金をつぎ込んで事業に失敗したらこうなりますということなのである。今は再建の過程を試されている。

 しからば国家の破錠とはどういうことだろうか。近世にその例をみると幕府の瓦解と、第二次大戦の敗戦によるものだ。江戸幕府崩壊は薩摩や長州といった、いわば地方の反乱によるものだ。当時は外様大名が財政的に独立していたからそんなこともできた。明治新政府は天皇を担ぎ出しドイツなど西欧をモデルとした。第二次大戦後はアメリカがモデルだった。

 だが今や「次の国家モデル」がなくなっているのだ。フランスもアメリカ型を目指そうという大統領候補者が優位である。ソ連を崩壊させたエリツインさんも、そんな自由主義を考えていたのだ。サッチャーさんもそれでイギリスに元気を取り戻したといわれた。これをもって世界の歴史が終わったのだといった論者まで現れた。

 しかし、アメリカ型の自由経済も理想のものではないことは明らかである。次のより良いモデルがない限りは日本が破錠しても同じ道を歩むしかない。国家破産ができないということになる。ならば借金を減らすしかないと、その施策が始まりつつある。我々から、いろんな形で多くの税金を巻上げて国を維持していくということになるのだろう。
Commented by piomio at 2007-04-25 19:37 x
実は、私も数年前から日本国の破産を心配していました。
毎年、自転車操業のように国債を発行して、返済の時期には借り換えのように実際の返済を先伸ばしにしています。

そして、国と地方自治体の借金が毎年増え続け、1000兆円を超えてしまいました。

そこで、日本が破産したら大変だとばかりに、経済・資産運用などの勉強に力が入ったのですが、昨年度、たぶん、バブル崩壊後初めて企業からの税収が増えて国債の発行額を予定より減らす方向になったと記憶しています。

しかし、税収が増えたとあまり宣伝すると増税しにくいという事なのか、新聞などではサラっと取り上げただけでした。

又、国民の預貯金等、個人金融資産が1,200兆位あるそうですし、多額の米債を持っているし、日本は簡単には破産しないらしいです。

いずれにしても、日本は「市場原理主義」のアメリカが押し付けてくるグローバル化を進めて行くのだと思います。

そして、私たちの子供世代には一層格差が開いた厳しい時代になるのだと思います・・・・・・・・・。
Commented by watari41 at 2007-04-26 09:03 x
 企業からの税金って大きいのです。トヨタなどは1兆円もの税金でしょうから、従業員10万人とすると、一人頭で千万円もの税金を支払っていることになるのです。企業減税にやっきとなっているがわかります。
 私は、貧乏会社でしたが、時々は儲かることがあって、会社を通じて今年は百万円の税金を、個人税とは別途に支払ったなどと考えたこともありました。
 これからは、年金生活者など低所得者にも、税金はどんどん増えてくるみたいですね。
 そして、税金を多く払える人が優遇される格差社会が到来するのでしょうね。
 個人資産1200兆円も、その80%はわずか国民の4%の人々によって占められているのだと聞いたことがあります。
  piomio さんの経済の勉強はそういうことでしたか。コメントをいただきありがとうございました。
 
by watari41 | 2007-04-25 11:18 | Comments(2)