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余日録


by watari41

妻の闘病(14)

 生活習慣の良し悪しが病気の主な原因だとよく言われている。では、どんな生活習慣が良いのかといわれると答えはこれまた難しいようだ。
 一見して良い生活習慣を実行しているような方でも病気に罹る。生活習慣を決定付ける大な要因は、日頃の食べ物ではなかろうか。バランスの良い食事をしなさいとはいわれるものの、それだけで病気を防げるわけではない。
 現在は、一種の自然食ブームである。無農薬栽培とかに信仰的ともいえる思いを寄せている方々も多い。自分で作る野菜も流行っている。考えてみれば百年ほど前までは、全てが無農薬野菜だったはずである。

 私は退職後に、思いもしなかったことに「稲作損害評価委員」なるものを頼まれた。この分野も人手不足なのだ。凶作時の損害判定なので10年に一度程度の出番がある程度のことらしい。
 その関連で、週に一度の割合で農業新聞が送られてくる。読んでいて実に面白い、こんな世界もあったのだと思うようなことがある。農作物の最新の技術や、ITの活用など興味ある情報も多い。
 一様に、消費者の健康を考えてというコトバがでてくるが、それは現在認知されているというか、良いとされている事柄で、それを押し出すことで、また消費拡大にもつながるからだ。ガンの予防をうたう食物まである。

 ガンは、その発生原因を、はっきりと確定できないものが多い。良い習慣を実行しているつもりでも、その人の固有の健康に係る体内情報とマッチングがとれていないと意味をなさないものなのであろうかとも思う。

 これまでの生活習慣を改めるのは大変なことであるが、一般に人は医師の一言に弱い。今のままでは大変なことになりますよと言われると従わざるを得ないのである。しかし、それは必要条件なのかもしれないが十分条件ではないのである。
 人類が病気から開放されることがあるのかないのかわからないが、今後もいろんな試行錯誤が続いてゆくのだと思う。


妻の闘病(15)

 妻の正確な病名がわかるまでには、かなりの時間を要した。かかりつけの医者の誤診が、病気の発見を遅らせた。
 40年も前になるが、誤診が大きな話題になったことがある。当時日本一の名医といわれた東大の沖中博士が退官時の記念講演で在職中の誤診率が14%であったと話されたのである。一般の人々は、そんなにも多いのかと驚いたが、医師の間では、さすがは大先生であると、その少ない数字!に敬意を表されたということを回想する。専門家と一般の人々との間には大きな認識のズレがあったのだ。
 当時は、一般の人々の医師に寄せる信頼は、現在とは比べようもなく高かったと思う。医師が間違えたことをしていても医師本人が告白しない限りは、それをわかるすべがなかったのである。今のような、セカンドオピニオンなどということは考えられもしなかった。

 誤診は、大きくは2つに分類できるようだ。医師の知識不足によるものと、もう一つは思い込みによるものだそうである。妻の場合は、そんな病気であるはずはないという、かかりつけの医師の思い込みがあった。痛みを訴え、極端に悪化していたのだが異常はありませんという言葉が繰り返されたのである。
 妻はそこで、やむなく別の診療科の医師のところにいった。そしてその診療科のガンが発見された。しかしそれは転移したものを見つけたに過ぎなかった。その発生源を探さなければならないと、これまた時間がかかってしまったのである。
 結局は、その発生源というのは、かかりつけの医師が専門とする分野のガンだったのである。大変な回り道をしてしまった。妻は、病名確定までの間に、いろんな検査で大変な苦痛を受けた。そして貴重な二ヶ月もの時間を無駄にしたことになった。

 運の良い人は、最初の診断で初期状態の病気が発見されて一命を取り止める人もいる。今更に悔やんでも仕方のないことである。最新の医療機器が発達しても、診断を下すのは医師である。
 かつて人間は誤りをおかす生き物である、などという、哲学的な言葉を発した方もいたが、そんな時代ではなくなった。誤診を少なくしていくのは今後も大きな課題なのだと思う。

(15)へのコメントが以下です
Commented by schmidt at 2006-07-23 17:42 x
(コメントの1) 医師の「見立て」は本当に重要ですね。一昨年、かみさんがヘルニアで手術を受けた際、術後の感染症(らしい)で苦しみました。手術そのものは成功したというらしいのですが、退院予定の前日に40度以上の発熱が出て、苦しんでいる患者を1週間以上、点滴以外の何の手当てもせずに放置されました。
 主治医はあと2週間から1ヶ月の入院が必要だというのです。理由をきくと「われわれとしては手は打った。どちらかというと患者さん自身の問題」と、事もなげに言うのでした。

Commented by schmidt at 2006-07-23 17:42 x
(コメントの2) 感染症の検査結果が出ていないので「どうしたのか」とたずねると、間もなく結果は出るというのです。週末のために遅れるというのでした。てっきり外部の検査機関に検査を依頼しているのかと思っていたら、院内で調べるが週末なので、結果が出ないと言うのでした。それまで患者は苦しまなければならないのか、聞いたところ「患者自身の問題」というせりふが飛び出しました。本人の心理状態がかなりおかしかったので、わたしはその段階で退院させることを決意し、すぐに出してほしいと要求しました。「命は保証できない」とまで言う医師と一昼夜すたもんだした末にやっと退院。東北大の外来でいちから検査を受けさせました。2日目に医師が傷口をしっかり洗浄してくれ、1週間で直りました。
  医師の「見立て」次第で患者の命はどうにでもなります。
Commented by 大平達郎 at 2006-07-24 05:32 x
05年6月1日佐賀市におそらく日本で唯一つの、ユニークな病院が誕生しました。どんな病院かと言うと建物からしても木造 栗や杉板 床下には竹の炭が敷かれ建物全体が人と融合している建物自体が呼吸している コンクリートやプラスチックの床ではない。(ある児童専門病院は完成直後にはアルヒデド発生で開院が遅れた)院内のレストランのメニューはすべて自然食 人体を部品「臓器」の集合体とみなす西洋医学は患者に深刻な副作用と心の癒しを与えられることは無いと思います。
患者も家族も徹底的に自己防衛に徹しなければならない時代になりましたね 心の無くなった現代医療が悲しい しかし少ないけれど「癒しの医療」を展開している病院・医師が増えていることが救いと思います。
http://www.cosmic-energy.co.jp/yhc/yhc.cfm
Commented by michiko at 2006-07-24 20:37 x
現代医学の発達は人間は心を持っているということを忘れてパーツの組み合わせとして考えているようです。医療行為が病院経営の経済活動という悲しい事実を感じております。
Commented by watari41 at 2006-07-26 08:48 x
 医療の問題はいろいろとありますね。ご近所のことですが、おばあさんに孫が手がいたいと訴えたので、医者に連れて行ったところ腕が骨折していると言われ、看護婦に幹部を固定しておくように命じ、治療が終わって、家に戻ったが、夕方に嫁さんが帰ってきてからも痛がるので、再度医者に医者につれて行ったら、骨折していない方の腕を固定してしたのだという、うそのようなホントの話がありました。
schmidt さんも早めに手を打たれ、ことなきを得ましたね。それにしても奥さんは大変なことだったと思います。コメントをありがとうございました。

Commented by watari41 at 2006-07-26 08:49 x
 仙台のさる大病院の最上階にホスピスがあって、そこに知り合いの患者を見舞いにいったことがあります。そこは確かに室のつくりはすばらしく、和風で障子などもあるのですが、看護婦の対応が全くなっていないのです。ひどいものだと思ったことがありました。魂入れずなのです。佐賀の病院は両面に配慮しているようですばらしいことですね。大平さん、いろんな情報とコメントをいただきありがとうございました。

michikoさん、「千島学説」をご紹介いただきましてありがとうございました。興味ある事柄が多いですね。気が人間の各パーツにどのように作用していくのかなど私なりにいろいろと想像をたくましくしております。今後究明されるべき課題ですね。早く詳細を読んでみたいと思っています。コメントをいただきありがとうございました。
Commented by schmidt at 2006-07-17 20:48 x
 こんにちは。今、日本を離れています。日本を、というよりも、我が家を離れると、食生活ががらりと変わります。昨夜は「無事、こちらに着いた記念」をでっちあげ、ふだん、ほとんど食べない肉類をたらふく食べてしまいました。そんな記念などなくともいいのに同行者たちと話をしているうちにどんどん日ごろの生活とは違う方向に流れてしまいます。
 よほどしっかりしていないと、自分の身体にマッチした食生活を守るのは結構、難しいです。
Commented by watari41 at 2006-07-20 08:40
 一足早い夏休みをハワイですか。同じアジアの韓国・中国でも日本とは食生活が大きく異なるのですから、人間の体は世界各地の食習慣に一応は適合するように作られているのでしょうね。そんな中で病気になる人、ならない人というのを考えることがありますが、統計的には差異があるようなのですが、何を食べようと問題ない人も、これまた多くいるのも事実ですね。生活習慣というのもわけのわからないところがありますね。
schmidt さん、ハワイの休日を楽しんできてください。コメントをありがとうございました。
Commented by 大平 達郎 at 2006-07-23 05:10 x
「稲作損害評価委員」に任命されるためにはそれなりの条件・稲作についての造詣が深いとかあるのでしょうが watari41さんには適任ですね。食べ物と病気については 煙草と肺がんの関係と同じでならない人ガンはならない。不思議ですね 食べ物は粗食で良いと言われますが。戦時中は脚気になる人が多くいましたし サムシンググレードがすべて運命を決めて人を現世に送り出されているとしか思われません。ご自愛下さい
Commented by watari41 at 2006-07-23 09:30 x
 梅雨が早く空けてくれればよいのですが、このままの天候が続くと冷害になってしまいます。そうなると稲刈りの時期に町中の田を歩き回らなければなりません。今年は何としてそうはなってほしくはありません。
 最近、研究されている稲作損害評価技術に人工衛星からのものがあります。地上のミサイルの動きを掴むことが出来るのですから、あと数年もしたら、実用化されかもしれません。

このあたりは、8月8日近辺が出穂時期なのでこの時の天候が重要です。暑い太陽が出てきてほしいものです。今日、日曜日は地区の氏神様のお祭りです。祈願してきますが、この祭りも例年雨になる率が50%以上もあるのです。空模様を気にしながら関係者が神社前にテント貼りを始めました。
大平さん、コメントをいただきありがとうございます。
by watari41 | 2006-07-17 15:38 | Comments(4)