00年危機

 「07年危機」が叫ばれている。団塊世代の大量退職が始まるからである。
 これまでに、この種のたぐいの「00年危機」ということを、何度も聞いたことを回想する。近くは2000年危機があった。コンピュータが一が誤作動して大変なことになるというものだった。92年危機というのもあった。日系自動車工場が米国で一斉に稼動するので供給過剰になるということだった。この他にもたくさんの危機が叫ばれた。
 しかし、たいしたことは起こっていない。そこを通り過ぎると何事もなかったかのように静かになる。実に不思議なことだ。
 危機というより話題づくりであったのだろう。たしかに危機と騒がれるとそれなりの対策をとるのでたいしたことにならずにすんでいる側面もあるのだろうとは思う。

 日本人は危機を好む。常に緊張感を強いられるからである。地震がいつ起こるかわからないなどはまさにそうだ。危機意識を持つことは何も悪いことではない。危ない会社ほど安定だなどともいわれる。
 危機も根拠があればそれなりの説得力がある。しかし、いい加減な理由でいたずらに恐怖感を煽るものはいただけない。99年地球滅亡説(ノストラダムス)や、「00年」経済恐慌説というのも何度か流布した。何の根拠もなく、いたずらに人心を惑わしただけであった。

 若い人たちが老後のことを心配するのも、具体的な「00年」はないものの、将来への危機感の表れでもあろう。

 団塊世代危機も、一斉退職ではなくて徐々に進んでいくのだと思う。業績の悪い会社では60歳以前に退職せざるをえなくなるようだし、余裕のある会社ではそれなりの対策がとられるようだ。

 「核の危機」「小子化の危機」・・、数え上げればキリがないほどに危機がある。本当の危機は表面化していないところで徐々に進んでいるのではなかろうか。「00年」とは限定できない危機が怖い。オイルショックでのトイレットペーパー騒動のように、ある時、突然パニックを起こし、わけもわからずに走りだすような、いつ爆発するかわからない危機があるのだろうと思う。事前に危機だと騒がれるのは、いいことなのかも知れない。
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Commented by akiyama at 2006-02-10 01:05 x
世界情勢や国家、社会、個人の区別無く、よい教訓的話題ですね…
危機感を抱くということは、一面「反省と用心」「治に居て乱を忘れじ」などの長所が生きますね。
卑近な私例ですが、私も中年期の試行錯誤の生活時、「運勢表」の禍福年代で面白いことを体験しました。強運盛運の年は結果、失敗や事故が重なりました。凶年と出た年は、なんと、無難の上に仕事でも健康でも向上していました。
私の気構えの問題と数年後に気がつきました。以来、私は「運命は自分で築くもの」という人生観を持ちました。
Commented by watari41 at 2006-02-10 17:13 x
 厄年も個人の危機を知らせているのでしょうね。その年齢は人生の一つのエポックとして、昔の人はそれなりの注意を払うなりして、静かにその年を過ごしたのでしょうね。古来からの人生の危機に関する偉大なる知恵なのでしょうね。akiyamaさんコメントをありがとうございました。
Commented by カメチャン at 2006-02-10 21:38 x
いつかの石油危機のときに極めて近い将来石油が枯渇するとか言われていた。しかし、最近とんとその種の話が出なくなった。新たな油源の開発あったのであろうが、未来永劫問題なしとはいかないであろう。人類がまさにゆで蛙状況となっているのではないだろうか。産業廃棄物の最終処分場の埋め立て能力があと何年とか毎年同じ年数を言っているような気がする。これも処理技術の開発、処理場の能力増大、排出量減などがあいまって効いているのかも知れない。真の姿を知ることは難しいですね。
Commented by watari41 at 2006-02-11 07:17 x
 小学生の時だったろうと思うのですが、あと30年で石油は枯渇してしまうと教えられ、教科書にも記載されていたような気がするのです。それ以来、何年たっても、あと30年なのですね。そして最近は、その数字すら聞かなくなってしまいましたね。あれからもう50年以上も過ぎているのです。産廃処分場はもっと直近の数字だったと思いますね。そんなことを過去に遡ってじっくりと検証してみることがあってもよいような気がしますね。カメチャン、コメントをありがとうございました。
Commented by imaizumi at 2006-02-12 09:07 x
文芸春秋3月号を見たら「サラリーマン大増税の嘘を暴く」と題して菊地英博氏(文京学院大学教授)が政府が声を大にして「財政危機」を唱えているが、あれは増税策をとるためのせんでんであるから騙されるなという論説です。
 その論拠をグラフ入りで縷々説明しています。私は目を通してもそれがホンとに正しいのかどうか判断がつきません。
 思うにこれほどの大問題「国家の財政危機」についても危機だと言う説と逆の説があります。これは一つの例に過ぎません。この頃の世の中は何を信じたらいいのか分からないことが多すぎると思います。これが情報化時代の特質なんでしょうか。
by watari41 | 2006-02-09 09:14 | Comments(5)