食文化差異
2006年 01月 25日
米国産牛肉の輸入トラブルについては、改めて日米食文化の大きな違いをまざまざと見せつけられた思いがしている。
牛肉を食べるのは米国人には安全論議以前のことのようが気がする。危険性などさらさらいただいてはいないのであろうと考えられる。
長い禁輸処置だったので、日本では誰しもそれなりの意味合いを感じており、万全の対策が施されているものと信じて疑わなかった。しかし、米国では時間の経過を待っていたという感覚 しかなかったようだ。結果的に業者から検査官までそんな認識のようだった。日本はお客さんであるはずだ。米国には客先要望をかなえるなどという意識は全くなかったようだ。自分達の基準、感覚でOKだとの判断をしたのであろう。
農務長官が契約書を確認して明らかなミスだったとお詫びの発言している。事の重大性を再確認したようだ。深刻な問題だと受け止めている。
今となってみれば、書類を作成した当事者にも、もともとそういう概念があったのかという疑いもある。業者はミスを認めながらもこと、ここに至っても米国基準でよいのではないかと言っているのである。ニューヨークタイムズのこれを扱った記事もきわめて地味なものだったとテレビで報じられた。
今回の事件は、U.Sスタンダードがどこにでも通用するものではないということを知らしめる大きな契機になるのではなかろうか。
「各国固有の文化を尊重しながら」などと口ではいうものの、実際には難しいことである。こんなことが世界各地での反米感情につながっているのではないのだろうかと思う。
日本で食べる鯨、韓国で食する犬など、米国など西欧からみれば野蛮極まりないことなのだろうが、その国の人たちには何の違和感もないことなのだが、わざわざ他国に配慮してその食を控えているのである。
米国は、その国力のなせるワザであろうが、他国に遠慮するところがない。また自国の文化が良いものであるとも思っているようだ。
日本人は、食に限らず繊細な感覚が特徴でもある。科学的究明は別として遺伝子操作食物にも敏感に反応してこれを拒絶している。米国人は、これをまったく問題にはしていないようだ。口の悪い極端な言い方をすれば食物は腹を満たせばということになる。
日本での食事は味は勿論、見て楽しむ、料理に用いる器を鑑賞する、懐石料理など、食の芸術的要素も多い。食べることにかつては禅的な意味合も含まれていたようだ。勿論西欧でも食事にあたっての神への感謝などがあるが、根本的な差異が存在するように思うのである。だが、一方では今やわが国でも牛丼をかっ込む様な食べ方が存在するのも事実ではある。
牛肉を食べるのは米国人には安全論議以前のことのようが気がする。危険性などさらさらいただいてはいないのであろうと考えられる。
長い禁輸処置だったので、日本では誰しもそれなりの意味合いを感じており、万全の対策が施されているものと信じて疑わなかった。しかし、米国では時間の経過を待っていたという感覚 しかなかったようだ。結果的に業者から検査官までそんな認識のようだった。日本はお客さんであるはずだ。米国には客先要望をかなえるなどという意識は全くなかったようだ。自分達の基準、感覚でOKだとの判断をしたのであろう。
農務長官が契約書を確認して明らかなミスだったとお詫びの発言している。事の重大性を再確認したようだ。深刻な問題だと受け止めている。
今となってみれば、書類を作成した当事者にも、もともとそういう概念があったのかという疑いもある。業者はミスを認めながらもこと、ここに至っても米国基準でよいのではないかと言っているのである。ニューヨークタイムズのこれを扱った記事もきわめて地味なものだったとテレビで報じられた。
今回の事件は、U.Sスタンダードがどこにでも通用するものではないということを知らしめる大きな契機になるのではなかろうか。
「各国固有の文化を尊重しながら」などと口ではいうものの、実際には難しいことである。こんなことが世界各地での反米感情につながっているのではないのだろうかと思う。
日本で食べる鯨、韓国で食する犬など、米国など西欧からみれば野蛮極まりないことなのだろうが、その国の人たちには何の違和感もないことなのだが、わざわざ他国に配慮してその食を控えているのである。
米国は、その国力のなせるワザであろうが、他国に遠慮するところがない。また自国の文化が良いものであるとも思っているようだ。
日本人は、食に限らず繊細な感覚が特徴でもある。科学的究明は別として遺伝子操作食物にも敏感に反応してこれを拒絶している。米国人は、これをまったく問題にはしていないようだ。口の悪い極端な言い方をすれば食物は腹を満たせばということになる。
日本での食事は味は勿論、見て楽しむ、料理に用いる器を鑑賞する、懐石料理など、食の芸術的要素も多い。食べることにかつては禅的な意味合も含まれていたようだ。勿論西欧でも食事にあたっての神への感謝などがあるが、根本的な差異が存在するように思うのである。だが、一方では今やわが国でも牛丼をかっ込む様な食べ方が存在するのも事実ではある。
Commented
by
schmidt
at 2006-01-25 16:19
x
今の米国が嫌われる理由がようやく日本人にも、実感として分かってきたんでしょう。今回のケースについて個人的には別の考えがあるのですが、米国も、今のようなやりかただけでは世界に通用しないし、かつて、あれほどの世界貢献をした国の歴史に汚点を残すことになると、理解すべきですね。
0
Commented
by
watari41
at 2006-01-25 19:15
x
ブッシュ大統領も安全性を盛んに強調しておりますね。どこかイラク戦争を正当化する論議とも似たようなものを感じます。たしかに米国の戦後世界への貢献ははかりしれないものがありましたね。その善意は疑いようもないのでしょうが、相手のことを気づかう意識が足りなくなってしまったみたいですね。schmidt さんコメントをありがとうございます。
Commented
by
imaizumi
at 2006-01-26 09:53
x
いつもながらWatariさんの鋭利な感覚にはつくづく感服させられます。天声人語などより読んでて遥かに楽しいです。
さて本題は云うまでも無く日米食文化の差異はあきらかですが食文化の違いは日米に限らず日中、日韓、日欧どこのもあります。
若し似たようなことが日中間で起きたらもっと始末が悪いかも知れませんね。
アメリカの或る高官が「BSEのリスクは自動車事故よりずっと少ない」と云ったとか。膨大な消費量の牛肉に対する彼等の感覚はそんなものかもしれません。日本の食中毒ぐらいの感覚なんでしょうか。いずれにしてもこの問題がアメリカ何らかの反省事項になれば幸いです。
ところで食文化というのは食事のマナーも当然入ると思うが日本人のマナーはとてもじゃないが私は頂けないです。云いたいことは山ほどありますが省きます。
さて本題は云うまでも無く日米食文化の差異はあきらかですが食文化の違いは日米に限らず日中、日韓、日欧どこのもあります。
若し似たようなことが日中間で起きたらもっと始末が悪いかも知れませんね。
アメリカの或る高官が「BSEのリスクは自動車事故よりずっと少ない」と云ったとか。膨大な消費量の牛肉に対する彼等の感覚はそんなものかもしれません。日本の食中毒ぐらいの感覚なんでしょうか。いずれにしてもこの問題がアメリカ何らかの反省事項になれば幸いです。
ところで食文化というのは食事のマナーも当然入ると思うが日本人のマナーはとてもじゃないが私は頂けないです。云いたいことは山ほどありますが省きます。
Commented
by
watari41
at 2006-01-27 09:41
x
天声人語は、日本でも最高レベルの知性の方が書いているのですから、到底それと比較になるようなものではありませんが、読まれて楽しいと思っていただけるのは嬉しいことです。
食については、安全性のみならずimaizumi さんの言われるようにマナーも含めて、たくさんの事項がありますね。コメントをいただきありがとうございました。
食については、安全性のみならずimaizumi さんの言われるようにマナーも含めて、たくさんの事項がありますね。コメントをいただきありがとうございました。
by watari41
| 2006-01-25 08:17
|
Comments(4)