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余日録


by watari41

賭け事社会

 洋の東西を問わず「賭け事」に魅了され、のめりこんでしまう人は多い。賭けは人間、特に男子にとっての本能ではないのかとさえ思うことがある。

 最近読んだ本に面白いことが書いてあった。(*)歴史上、数少ない女帝の一人である「持統天皇」の夫は天武天皇だが、賭博に嵌りこんでいたらしい。次の皇位についた彼女は、「賭け事禁止令」を出したというのである。少し後の女帝「孝謙天皇」も、そんなお触れを出していたそうだ。
 「奈良の都は咲く花の匂うが如く今盛りなり」と詠われた一方で、その裏は賭博社会でもあったようだ。
 昨今のホリエモン騒動も、21世紀初頭の現代社会の側面を、歴史家はそんな風に語ることになるのだろうか。

 「賭け事」は勝つか負けるかの勝負だ。負ければ何もかもなくしてしまい借金まで背負ってしまいかねない。自殺する人もいる、親が相場に手を出して、全てをなくしたなどという話を昔はよく聞いたことを回想する。

 だが、「賭け事」すべてを悪とは決め付けないで、少しスマートにしたのが「宝くじ」であろう。夢を与えながら広く浅く、少しづつのお金を巻き上げようとしたものだ。
 競馬・競艇などの公営ギャンブルもその一種である。為政者がその胴元なのである。株式市場と同列に論ずるのはおかしいのかもしれないが、その実態は似たようなことではなかろうか。

 一方では、青少年に射幸心を煽るので教育上良くないと意識的に目をそらさせている。これはむしろ逆ではないのかとの論議を聞いたことがある。積極的に子供の頃から体験させるべきだとの論者もいる。小学校のゆとり教育でパチンコ屋の実地勉強をさせたらなどと極論をいう人もいる。大人が何故、はまり込むのかを学習させたらという意見だ。

市場と賭博と法律について、人間の性(サガ)をも含めて考えてみることがあってもよさそうだ。

(*)新潮新書「金貸しの日本史」著者:水上宏明
Commented by カメチャン at 2006-01-19 21:08 x
あるネット証券会社が小学生とその親に証券取引の口座を開いている。子どもの時からマネーゲーム感覚を訓練するものである。分る感じも有るが抵抗を感ずるのは僕だけではないだろう。世の中に何も産まないマネーゲームにはどうも抵抗がある。この一両日のライブドア問題はまさに世の中を馬鹿にしている。いまどきこのような考え方はないのかもしれないが、僕たちに有形のものを提供してくれる農業が一番大事なことではないだろうか。いわゆる農本主義というものになるのかな。若いときには世の中の毒も適当に飲ませて、抵抗力をつけることも必要だと思う。適当にギャンブルの経験をさせることには賛成だ。最近の学童安全問題でも冷静に考える必要がある。あまりにも過保護に過ぎると、彼らの成育後の安全本能の低下を招くかもしれない。しかし、マネーゲーム族に富が集中するのは許せないが、それで富を得ても決して幸福までゲットできるものではない。貧乏人のたわごとでした。
Commented by watari41 at 2006-01-21 08:51
 子供にどこまでを教えるかは問題ですが、もはやテレビを通じて沢山の情報が流れており、その理解も大人よりは早いところがあるのかもしれません。子供ニュースを大人が見ていて、わかりやすいと感心するような具合ですから、むしろ現状を理解できない大人の方が多いのかもしれません。
 今回のような一種の金融賭博の発端は、住友銀行にあったような気がするのです。20年くらい前でしょうか大変に業績がよくて世間からもてはやされた時代がありました。当時の有名な頭取は「社員の向こう傷は問わず」というような、犯罪スレスレのことをむしろ奨励するような発言をしていて、それが逆にマスコミでは、そこまでやる必要があるみたいな、謝った概念を金融市場に与えてしまった可能性があるように、かねがね思ってました。ホリエモン事件はその延長線上にあることですね。
カメチャン、コメントをありがとうございました。
by watari41 | 2006-01-19 09:27 | Comments(2)