詐欺(1)
2019年 01月 11日
新年早々に縁起でもない話題である。
元旦に郵便局に行った。言うまでも無く年賀状を出していなかった方々への返信のためである。次々と人がやってくる。おそらくは一年中で元旦が郵便局を訪れる人が最も多い日なのかもしれない。日本人は義理がたい、その日のうちに返信を出さずにはいられない。日本の99.9%の人が真面目な人なのだろうと思う。真面目さとは物事を真剣に受け止める人でもある。それ故に特殊詐欺に合う人が絶えない。詐欺師も十分な準備のもとに電話をかけてよこすのだろうと思う。
地方紙の県内版のスミに毎日のように記事は小さいが、高額の被害が記載される。被害者は高齢者である。
金額よりも、被害者本人のダメージがはるかに大きいようだ。家族や周囲からまるでダメ人間か、認知症のごとく扱われ落ち込んでしまうこと大なるものがあるという。
私も十分に年はとっているが、幸いにもその種の電話を受けたことがない。察するに詐欺師が、預金残高の多い人の名簿を持っているのではないのかと思われる。詐欺が成立するには、すぐにお金の出せる人でなければならない。
どんな田舎でも銀行カードをATMに差し込むと、全国どの銀行ともつながっている。もちろん読み取り専用にはちがいないだろう。一般のネットとは異なる回線網をもっているはずだが、それでもデーターが絶対に盗みだされないとはいいきれない。銀行間では互いにデーターを共有しているのであるから、端末は多数あるはずだと思う。吸い取られたデーターが闇で売買がなされていないだろうか。
電話を受け取った人は音声で劇場に案内される。声だけなら三文役者でも務まるのだろう。シナリオさえよければ、被害者は劇の中に突入してしまう。後はご存じのようなことになってしまう。おかしいと思った時にはもう遅い。演技力というのは良いにつけ悪し気につけ、他人の人生を左右する力がある。
個人だけでなく、名だたる大企業だって騙される。セキスイハウスは50億円をだまし取られた。平成史に残る事件である。人間と人間の接触で一流のビジネスマンたちが、詐欺師グループに騙された。個人であれ、企業であれ、スキを突かれている。武器を使った戦争ではなくても、命から二番目に大切であろうお金を狙われ続けている。誰にでも危険性がある。
by watari41
| 2019-01-11 14:02
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