人気ブログランキング | 話題のタグを見る

余日録


by watari41

明治150年(5:終)

 明治維新最大の謎とされているのが、軍資金の問題である。
 グラバー商会が資金提供したのではないのかと推測する見方がある。先年、長崎のグラバー邸の大規模改修工事で屋根裏に多数の人が集まれる、密室の如きものが発見されたのである。その入口が女中部屋なのである。薩長の密談に利用されたのではないのかという推測である。
 坂本竜馬に多額の資金提供したのもグラバーであったと。
 その見返りは何であったかと言うと「取引額の拡大」である。

 日本が近代化すれば、商取引も増加してくる。その前に内戦状態となれば武器商売が増えることも見込んでいたのであろう。最初は長州藩を取り込んだ。しかし一藩だけではもたない。幕府に追い込まれお手上げ寸前になった。竜馬が出てくる。薩長同盟となり、さらには土肥もくわわる。

 グラバーさん個人の力では、たかが知れているが、バックについているのが、イギリスの東印度会社を統括するジャーディマテソン商会で極東の権益をすべてまかされていた。グラバー商会はその日本代理店みたいなものだったろう。資金はそこから出たとみられる。現在でもマテソン商会は世界の大企業500社に含まれている。

 世界史的に俯瞰すると、インドでは軍を投入して大虐殺の上で植民地化した。中国では1842年にアヘン戦争を起こして、麻薬の商売拡大と香港を植民地(実際には99年の租借)とする成果をえている。次にと狙ってきたのが日本である。

 日本は簡単には行かないとおもったのだろう。自らに内戦を起こさせる作戦にでた。その結末が明治維新なのだろう。英国人が表に出ることはなかった。
 当時はそれが常識だったのだろう。幕府側はフランスに援助を求めた。
 歴史は勝者によって作られるとされる。今後知られざる事実の出てくる可能性は高い。
 
 

by watari41 | 2018-05-24 15:46 | Comments(0)