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余日録


by watari41

民間信仰

 先日、老人会の一泊温泉旅行があった。同室になった男から聞いた話である。
 40年も前のことだと言うが、自宅の五右衛門風呂を近代的なものにしようとした。狭い屋敷に住んでいたので、風呂が隣家の塀と一体ものになっていたので、取り壊すと境界線も定かでなくなるので、いったん、そこに杭を数本打ち付けた。

 ところが、その頃より彼夫婦と子供2人の一家4名が、体調を崩して医者通いするようになったのだという。病名もはっきりせず、グズラグズラしてるうちに、知人から一度、拝(オガ)みやさんに相談したらと言われ、しかるべき拝みどころに行った。いろんなことを聞かれたのだろうが、「屋敷廻(ヤシキメグル)神」の怒りに触れたのだというご宣託を受けた。
 早速に、杭を引き抜き、塩で清め小さな神様を祀ったところ、家族の病気もいつしか退散してしまったのだという。
 彼曰く「私は、その時から神様を信じるようになりました」と、さらに私に対して神様などは信じないのでしょうが、これは事実だったのですと。
 それ以来、彼は昔の人が大切にしてきた、方角のことなども気にするようになったのですと。
 
 彼は、そんな年寄りではない。私と同年代なのである。前々からお互いに知ってはいたが、そんな話などはしたこともなかった。
 「いわしの頭も信心から」などと言われる如く、科学的におかしなこともあるが、とにかく彼と家族は救われたのである。
 大昔から神様は五萬といるのだとされるが、それぞれにご利益(ゴリリャク)があったのだろう。

 だが、神前の雨水で目をこすると、トラコーマーが良くなると言われて、その結果は、黴菌で一層悪化してしまったなどの話も子供の頃にはよくあったものだ。

 現代社会にも、拝み屋さんはかなり存在する。繁盛しているところもある。私はストレス社会の影響が大きいのだと考えている。

by watari41 | 2016-06-27 16:54 | Comments(0)