旅の余韻(1)
2005年 09月 17日
今回の北海道旅行は、わが町郷土史研究会一行の研修旅行ではあったが、費用は全額個人負担なので、残された時間は観光をした。函館の街を巡った。
江戸時代後期の大商人、高田屋嘉兵衛の巨大な像があった。近代函館の創始者ともいうべき人だ。この方の特筆すべきは、偶然なことから、ロシアと幕府の間に立って命がけで当時の重大な外交問題になっていた、ゴローニン事件の解決に尽力しあわやの日露戦争を回避したことである。すごい胆力を持った人でもあったようだ。
こんな歴史をみると、現在の行き詰ってしまった、北朝鮮との拉致問題も外務省ではなく、民間人に任せてしまったほうが早く解決するのではなかろかと考えてしまったりする。
函館名所の一つでもあるトラピチヌス修道院も見学した。ここは観光地ではありませんといいながらもたくさんの観光バスが次々とやってくる。異国情緒ただよう雰囲気や修道女の生活に興味を引かれるからである。
私は中学校に入ったばかりの頃だった。T先生という若くて美しい音楽の受け持ちがいた。あこがれでもあったが一学期の終わりに、先生は遺伝上の問題で結婚できないこともあり、函館の修道院に入ると退職されたのである。現在も存命であるとすると80歳くらいだ。どうしているのだろうかとも思うが、中でのことは全くうかがい知ることはできない。(写真)
自ら終身刑を課したようだといったら言い過ぎであろうか。現代の娑婆の空気を吸っているものからみるとそんな気がしてならない。
もう一つの観光の目玉は五稜郭とそれにまつわる物語である。土方歳三の像もあった。幕府に準じたといえば格好はよいが、最後は悲惨なものだった。その死を函館は貴重な観光資源としているのだ。北の国まで来て戦った新撰組の土方副長はさぞかし苦笑していることであろう。
by watari41
| 2005-09-17 08:09
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