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余日録


by watari41

2014年(後)

 町内に氏神様があり。直径1mはゆうに超えるご神木もあるが、住宅地なので周囲の枝は全て切り落とされ大木なのに珍妙な姿で存在している。
 年末になるとご神木にクリスマスのデコレーションが施され、境内ではクリスマス会が催される。
 25日はそれらが外されて、今度はご神木にしめ縄が張られる。
 当たり前の風景なのではあるが、よく考えなくてもおかしな光景である。しかしご神体はすでに他の神社に合祀されているから、芯が抜けているのでかまわないという理屈でやっている。
 通常の日々には、お堂にお賽銭を入れて拝んでいる人もいる。

 夏にはこの神社のお祭りがあり神輿もでる。益々おかしな話なのだが、お祭りの主は虚空蔵様なのである。町内のお寺さんが管理している。

 かつて、ここには3つの神仏があった。赤城神社・虚空蔵様・勧学院というものである。今はその町名が無くなったが、その辺り一帯が御免町と呼ばれていたのである。それらの神仏を管理するために、商店などが税金を免ぜられていた。また神仏の前を通るので、ご免なして下さいと言いながら歩くので御免町だとも。

 夏の祭典の時には、虚空蔵様を管理しているお寺の住職がやってきて拝んでゆく。我々はこれを赤城神社のお祭りと称している。
 残存しているお堂の通称も赤城神社なのである。ただし中のご神体は虚空蔵様というからややこしい、江戸時代にはそれぞれに3つの建屋が存在したが、今は一つしかない。

 さらに現代の年末にはキリスト様までやってくる。人々はそのことを何とも思わない。のどかなものである。ここにアラーの神様がくればさすがにおかしいとはおもうのだろうが。

 
 

Commented by Schmidt at 2014-12-29 19:15 x
愉快ですね。日本人の原風景を見るようです。寓話や風土記として読みたいものですね。
Commented by watari41 at 2014-12-30 16:22
お地蔵様にもサンタクロースの衣装が着せられている様子が新聞に出てましたね。
schmidtさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2014-12-29 12:07 | Comments(2)