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余日録


by watari41

選挙結果

 「独裁者がいないにもかかわらず、国民は独裁国家の如く振る舞ってしまう」
こんなフレーズを、何日か前に新聞か雑誌で読んだ。
 今回の総選挙結果はまさにそんなことである。始まる前から与党の圧倒的優勢が報道されていた。現在の仕組みでは、単純化すると30%の支持率があれば、投票率が50%しかないので、投票後の結果では60%を占めることになる。議席では三分の二を得られる。

 一方で、与野党の伯仲をの望むという人が40%もいたことをアンケート結果は示しているが、そうであれば、そういう投票行動をとればよいのだが、そんな行動をしていないので、予測通りの数字に終わってしまう。すなわち与野党伯仲というのは願望であって、だれかがそれをやってくれると思っているにすぎない。

 こういう国家状況へ陥ったのが、遥か2000年前の古代ローマにもみられた。そこでは共和制がしかれ、誰もが参加できる権利を持っていた。
 ローマ市民であることで、贅沢三昧の生活を楽しんでいたことが、当時の浴場発掘などから明らかになっている。政治的関心が次第に薄れてしまったのである。

 このままでは、国家が機能しなくなると考えたのが、世界史上最大の英雄シーザー(カエサル)である。彼はローマに帝制を敷くしかないと「賽を投げた」のである。
 古代ローマ帝国の初代皇帝はアウグスティスであるが実質的にはシーザーである。だが彼は共和制を維持すべきという一派に、腹心のブルータスもいて暗殺されてしまう。

 古代の話が現代にもそのまま通用するとも思われないが、何とも気になることである。2000年前といえば日本はまだ弥生時代である。現代日本は高度な生活環境にあるが、世界を見渡せば、後進国家は大変に多い。
 生活が高度化すると、政治的関心を失うのは今も昔も同様のようだが、独裁国家への道はまずいことだ。

by watari41 | 2014-12-15 11:29 | Comments(0)