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余日録


by watari41

皇室と王室

 昨年、皇太子が述べた「雅子妃への人格否定発言」は、終戦直後の昭和天皇の「現人神否定発言」と並ぶ皇室の「人間宣言」であると思っていた。
 しかし、皇太子が45歳の誕生日を迎えての会見で、前言を翻さざるを得なかったのは残念なことである。
 まだまだ、皇室の率直な発言そのものが問題視されているのは何を物語るものだろうかと思うのである。一般人に近い感覚で扱われるようになるのはまだまだ先のようだ。

 対照的なのが英国王室である。発言どころか大胆な行動を起こしてそれを完遂してしまうのだから驚いてしまう。
 チャールズ皇太子の再婚はまさに普通の人間のやることと何ら変りはない。
 先例があるのだ。1936年エドワード8世は離婚歴のあるシンプソン婦人と結婚した。そのことで王位を捨ててしまった。思い切ったことをしたものである。
 退位の時の演説が英語の教科書にあったので記憶に残っている。「夫人の助力なしには国王の業務をなしえない」それを国会が認めないのだからやむを得ないというようなものだった。
(これには、後日談がありシンプソン夫人には、その時、別に若い恋人もいたといのだからチャッカリしている)

 日本と英国、どうしてこうもちがうのかと思う。歴史のちがいなのかもしれない。英王室は900年程度と比較的短く人間くさいドラマにみちみちている。
 対するに日本では神に近い扱いがなされ、最近でも元首相が本音ともとれる「神の国」発言でヒンシュクを買ったのは記憶に新しい。日本人の潜在意識にもそんなことがあるようだ。奉っておくものがないと落ちつかない。皇室の存在意義はそんなところにあるようだ。
 皇族に凡人のような真似をされては困るのである。だが皇太子は人間として扱ってほしいとの希望がありそこにジレンマがある。
Commented by Seten at 2005-02-27 07:40 x
ヨーロッパと日本の皇帝に対する違いはどこにあるのでしょうか やはり日本は武力の持つ幕府が民衆を支配し 神として扱われた皇室 この伝統の違いかも知れませんね 音楽で言えば宮廷の雅楽 庶民には関係なかったようですが幕府は謡曲 庶民にも歌われた ヨーロッパは交響曲 や楽器が庶民にも愛着があったし このへんからヨーロッパと日本の違いはくるのかなーと想像してます。農耕民族の日本には地方民話・子守唄が庶民から愛され歌われ 皇室とは別世界の文化が 国民と皇室との隔壁が大きくなってピッタシこない神と民衆との大きな壁がいまだに続いてるのかも
Commented by watari41 at 2005-02-27 09:09 x
 音楽と権力、面白い視点ですね。これまで考えても見なかったことです。言われてみればまったくその通りですね。現代では演歌とクラッシクの相対的な関係をみますが、これはシニア世代のことで、若者の音楽文化はまた別の感覚があるようです。
 神楽もまた一般民衆のもですね。田舎にある普通の神様を楽しませることからきているのでしょうが、格式のある神社の舞いとはまた別のものですね。
setenさん、興味深い視点を与えていただきありがとうございました。
by watari41 | 2005-02-25 09:44 | Comments(2)