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余日録


by watari41

プライバシー

 前科者の氏名を公表すべきかどうかについての議論が高まっているようだ。軽度な犯罪も繰り返し犯行が重大な事件に結びつきやすいので、一般市民を守るという観点からである。 先ごろ起きた奈良での小学生殺害事件がこの議論に拍車をかけている。さらには出所直後の殺人事件などもおきている。

 日本では昔から犯罪者の人権を守ることに力点がおかれていた。明治5年式の戸籍簿には犯罪履歴まで記入してあるのだという。現在はこの戸籍簿を入手することはもうできないようだ。プライバシーを保護するということからのようだ。
 昔は家の歴史を調べることなどに役立っていたという。

 被害者に比べて加害者が特に未成年者の場合には保護されすぎていると思うことが多々ある。犯罪に年齢はあまり関係がないような気がするのだが。被害者の心情に思いやることが少ないような気がする。
 これは加害者の更生を期待するということからのようだ。
 
 一方では犯罪ではないのだが、自己破産者の場合には官報でオープンにされてしまう。個人の住所、氏名が誰の目にも明らかになる。年間20万人もの人が公表されるのである。この人たちは今度は直ちにヤミ金業者のデータベースに加工されますます窮地に追い込まれ、大変な不利益を蒙るのである。
 やむを得ない自己破産もあり、その氏名などの公表は気の毒と思う場合が多い。(ご近所の自己破産に係った経験からである)

 犯罪者にもプライバシーがあり、これを守るというのは結構なことである。だが何を守り、何を公表するかは法律によって定められているのだろうが、その法律にチグハグを感じることが多い。

 有名人にはプライバシーがないのかということで問題になったこともあった。だが、この種の人たちは自分に都合の良いことは公表してほしいが、都合の悪いことは隠しておきたいというようなことが多い。ご都合主義である。
 全てをオープンにするのならまだしも、選別したことのみを与えるというのは情報操作そのものになってしまう。
by watari41 | 2005-02-13 09:05 | Comments(0)