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余日録


by watari41

あれから13年

 衝撃的なデータがある。
 宮城県の小学6年生に、大震災の日付(3.11)を聞いたところ正解率が17.7%しかなく県知事を始めショックを受けていると。
 小学6年生が産まれた頃に、東日本大震災が起きた。
 風化が叫ばれているが、そんな程度の話しではないのが現実である。毎年、新聞テレビで大々的に3.11の報道があるが、これを見ていないのだろう。学校でも今日は何の日とかが無いということになる。
 17.7%は、宮城県の海岸に面した都市の人口比率になる。内陸部には伝わっていない。当然ながら原発事故などもわからないのだろう。
 万全の備えなどというが、(その全段に人間の考え得るという言葉が入る)今回の能登半島地震では志賀原発が動いていなかったからよかった。周辺がメチャクチャの映像が流されている。動いてたらきっとおかしな事故が起きたはずだ。
 最近の千葉県沖では、スノースリップによる地震が多発している。
 東日本大震災も突然起きたような話だったが、解析の結果、以前からスノースリップ現象があったそうだ。
 その知見をもとに、南海トラフが注目されているが、その現象が見られているそうで千葉県よりはるかに危ない話しだと。
 結果論として、地震の予知みたいなことがあったとされる例が報告されるが、次の予知となると当たらない。現代科学でも地底の状況はよくわからない。
 テレビは「伝承の課題」一色の感じがする。
 皮肉なことに放射能は何年過ぎてもわずかしか風化という表現もおかしいが、減少せず、いまだに近くにゆくことが出来ない。何百年単位かで事故を伝え続けるのだろう。福島以外での風化を心配している。
 被災後13年で「語り継ぐ」が主題となるのは少し早すぎる。

# by watari41 | 2024-03-11 18:05 | Comments(4)

選んだ責任

 我が町の図書館では、開館以来「週刊朝日」を備えていたが、廃刊となったので代わりの週刊誌を選ぶにあたり、文春では品がないと思われたのであろう。「週刊新潮」が代替品として棚に並んでいる。
 文春は、砲弾にも例えられる特ダネ記事を数多く出してきたが、週刊新潮も同様な報道を目指している。3月7日号に驚くべき記事が掲載された。
 「広瀬すず」という、どこかで聞いたことのある国会議員のスキャンダルが話題をさらった。テレビのワイドショーなどでも報じられ、時も時だけに何ともイヤハヤである。隣の岩手県から当選している。
 選挙では女性ということも相まって、多くの票を集めたのであろう。まさかこういう人であったとは多くの有権者は思っても見ない。
 選んだ責任ということもよく言われる。トンデモ大臣などが出ると、首相の任命責任を問われる。身体検査が不十分だったと。
 しかし一般の選挙では、報道されること以外に有権者は知りようがない。一方では投票することを呼び掛けられる。
 田舎では自民党の岩盤支持層といわれるものが30%程度は存在する。そんな方々が投票所にゆけば当選できるのである。
 彼女の行状は、国会議員になるはるか以前からのもののようだ。暴露されなければ何食わぬ顔で議員を続け再当選もあったろう。そして女性ゆえに早く大臣ともなる。
 国会での生あくびがやけに多い女性議員という程度でさほどの問題とはならない。

 安倍派5人組と言われる方々も、選挙で当選できなければ何らの力も持ちえない。今度の如く大々的に報道されても、次の選挙も悠々当選するならこれほど民主主義が疑われることはないということになる。
 広瀬議員の不倫行動は、女性ゆえのこともあり大々的に報じられ話題になった。
 お相手の外国人男性は気の毒だ。いい思いもさせてもらったのだろうが、名前も出ており今後の仕事にも差支えがあろう。
 皮肉を言うと男女平等参画時代にふさわしい出来事だったのかも知れない。

# by watari41 | 2024-03-07 13:47 | Comments(0)

もし「トラ」

 もしもトランプが大統領になったならの仮定のことだが、民主主義崩壊の始まりになるのではないのかと危惧されている。
 自由主義の世界各国は民主主義は至上のものだとしてきたが、しだいに怪しくなってきている。トランプは専制政治にあこがれているとされる。

 <以下は塩野七生さんのローマ人の物語を読んで私なりの感想>
 歴史を遡ると、ギリシャ、ローマの時代は直接民主制に近いものだった。しかし次第に機能不全に陥る。古代ローマ時代の英雄カエサル時代に彼は私心なく無欲で有能だったこともあり、元老院の賛同も得て共和制を廃止して皇帝制度をしくことになった。これにはカエサルの腹心ではあるが、異をとなえたブルータスに殺されてしまう。初代皇帝はカエサルの養子であるアウグスティヌスがついた。しかし世襲制度は長くは続かず、後には領土拡大に貢献のあった「将軍」が皇帝になるということだった。
 五賢帝国時代などと言われる立派な将軍が連続して統治する時代もあったが、主権は国民にはない。

 民主主義を維持するには、並々ならぬ努力を必要とする。
 軍事力で抹殺されてしまったのが香港である。いままた台湾がその危機にある。ウクライナも民主主義を得たかのように思われたが、ロシアの軍事力はそれをゆるさじとしている。

 30年近く前のベルリンの壁崩壊で、世界中が民主化され世界史が終わったともされることがあったが、そうは問屋がおろさなかった。

 現在のアメリカの民主主義危機は、経済格差の拡大と人種問題にあるとされる。皆が平等に豊かになれるということは有り得ない。200年前からのアメリカの大発展・繁栄は、綿花栽培など黒人奴隷によるところが大きかった。宣言としての奴隷解放はあったが平等になったとはとても言えない。古代ローマにも奴隷制度は存在した。

 私が小学生の頃、イギリスは19世紀に最盛期だった老大国と言われた。アメリカは今や国家を率いる大統領が老人同士の争いになってしまった。個人からやがては国が老いて行くのは歴史の必然なのかもしれない。

 日本の「もしトラ」は、阪神タイガースの「それ」が、本当の日本一になってしまった。大阪の一時的な繁盛をもたらした。のどかでよかった。

# by watari41 | 2024-03-03 12:02 | Comments(1)

平和と戦争

 世界中の誰もが平和を望んでいると思いたいのだが。戦争を欲している人たちが世の中には意外と多い。
 いつの時代でも、大国と言われるところでは軍需産業が国家のトップであるからだ。その国のGDPの大きな比率を占めている。軍需生産に従事する人、また軍人の数も多い。輸出で稼いでいる国もある。

 世界が全く平和になり、戦争が無くなると、人々は一瞬の間は楽園になったかと思ってしまうだろうが、生活水準は大幅に低下するのだろうとされている。
 世界の歴史というのは、戦争の歴史でもあったとされる。
 一国の興亡は、戦争によってもたらされることが多かった。
 現在進行形で領土を拡大したいロシアのプーチン。かつてはウクライナもロシアの一部であったというのが理由である。
 一見して宗教戦争のようだが、これまでも戦争毎に勝利して自国の領土を増やしてきたイスラエル。周辺一帯が2千年前は自国の領土であったというのが理由のようだ。
 台湾も自国の領土なのだから軍事侵攻してもかまわないというのが中国の習近平。しかし自国の損害を天秤にかけているようだ。プーチンは30万人もの戦死者が出ていても気にかけていない。反対者を暗殺することもいとわない。
かつてアイゼンハワー大統領は、やがて軍産複合のバケモノがアメリカを乗っ取るのではないかと恐れたが、その危惧どおりに進みつつある。

 戦後の我が国は、保安隊というささやかな国防力から始まった。しかし今や国産の戦闘機を輸出するとか、しないとかの議論に発展している。防衛(軍需)産業は留まるところがない。科学技術が発達しているからだ。
 北朝鮮はミサイルに力を入れ過ぎている。発射実験を繰り返し威嚇しているつもりなのだろう。国内は常時臨戦体制と言われる。
 日本もかつては、戦時中に耐乏生活を強いられていた。欲しがりません勝つまでは、と戦時体制の言い訳でもあった。
 今や防衛力強化のために増税が検討されている。平和時の耐乏生活は御免被りたい。

# by watari41 | 2024-02-27 13:16 | Comments(2)

破壊と創造

 徹底した破壊の後には、よりすばらしい創造があるとはよく言われる。
 日本経済の戦後の高度成長は、第二次世界大戦での大都市を始めとした徹底的な破壊があり、それまでの政治を主導した軍部が壊滅した。田舎でも大地主が所有していた農地が占領軍により解放され、多くの自作農家ができた。農村革命みたいなものだった。大規模な企業群も財閥解体という形で分解された。
 これらが、戦後における創造力の源泉だったのだろう。

 終戦直後は、ほとんどゼロというより、帰還した軍人などで溢れ、マイナスからの出発だった。しかし自由経済が幸いした。戦前の如き縛りがなくなった。昭和30年にわずか10年にして戦前の経済力を回復した。その後は成長に次ぐ成長で昭和60年頃にピークに達した。そこをバブルと呼んだのである。
 しかし現在に至るまでの停滞が続く。
 同じような経過を辿っている国に中国がある。文化大革命によって旧来の事物を徹底的に破壊した。壊そうと意識してやったのではなく毛沢東の権力維持の為の結果だったとされる。
 毛沢東の死後に権力を握った鄧小平が、豊かになれるものから先になれという自由経済を導入したのである。国家体制の社会主義とは矛盾することでうまくゆかないだろうと見られていたのだが、あにはからんら急成長を遂げた。これも破壊の後の創造だったと考えている。しかし社会主義の根幹とする平等性が失われ、極端なまでの貧富の差が生じてしまった。今後どのようになるのだろうか。
 ドイツでは、西ドイツが自由経済のもとに発展したが、東ドイツでは、戦争で破壊されたのは同様だが、社会主義経済だったので発展できなかったとされる。
 自由経済は従来民主主義と一体のものと考えられてきていたのだが、そうではないことを戦後世界が実証した。
 しかし、自由経済にも限界のあることが見えてきた。民主主義にも限界がありそうだ。「もしトラ」などと、民主主義を否定するかの如きトランプが強大な勢力となっている。アメリカでの貧富の拡大が原因とされる。
 今や、物理的破壊ではなく、世界を激変させる何らかの破壊が必要とされているようだが答えが見つかっていない。

# by watari41 | 2024-02-22 18:05 | Comments(0)