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セミの声

 8月を目前にして仙台はやっと梅雨が明けた。
 雑木林の如き我が屋敷にはセミの声がうるさい。地中で7年を暮らし、死期を悟ると地上に出て7日ほどの生殖活動をしてそのままに果ててしまう。我々人間からみると、何とはかない一生かと思うが、昆虫とはそんなものである。

 そんなセミに最大の文学的賛辞を与えたのは、日本人なら誰でも知っている
     『閑さや岩に染みいる蝉の声』 芭蕉である

 うるさいと思って聞いている小生などからみると不思議なものだが、きちんとした物理的解説があるのだから驚いてしまう。
 山寺は凝灰岩で出来ている。表面に凹凸があるのはもちろん、音が共鳴するような微妙な穴が至る所にある。芭蕉は極めて運の良い時期に訪れている。だからと言って常人がそれを聞いて、一句が出てくるようなことは有り得ない。芭蕉なればこそである。
 おそらくは、岩に反響しあい、吸収され、穴で共鳴する得も言われぬ鳴き声を聞いたにちがいない。
 山形出身の歌人、斉藤茂吉はセミが単数だったか複数だったのかを議論したというのだからこれまた面白い話である。だがその結論は暦にあった。現在に直すと7月13日だった。にいにいセミだった。その年は梅雨が早く明けたか、空梅雨だったのだろう。

 同じくと言っては語弊があるが山形県出身の小説家、藤沢周平の最高傑作に「蝉しぐれ」がある。その題名を決めるのに、芭蕉の一句が頭にあったのは間違いないだとうと考えている。セミ様々である。
 明日もまた我が家のセミしぐれを聞くことになる。
 ツクツクボウシを一瞬聞いたのだが、本格的にこれを聞くのは秋近しとなる日になるはずだ。虫の声も一緒に聞こえてくるだろう。東北の秋は早い。2016、今年はどうだろうか。

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by watari41 | 2016-07-30 21:57 | Comments(0)

千話

 やや不正確なカウントながら、このブログも一区切りの千話を迎える。
 2004年5月に始まっているので12年間である。
 きっかけは、退職後に入会させてもらった「シニアネット仙台」で、同会の立ち上げ人でもある当時のハンドル名shumidさんから、パソコンでこんなこともできるのですよと紹介していただいたのが最初である。
 それなら私にも出来そうだと軽い気持ちで始まった。こんなに長く続くとは思わなかった。
 口の悪い後輩は、よくも下らない話を延々とやってますねと、その通りなのかもしれない。
 ただ個人的には、大概のことは3日坊主みたいに終わる小生にしては、何らの社会的意義もないことだが、晩年に至りよくやったということだろう。
 土俵を無料で提供してもらっているexite社には感謝申し上げるしかない。途中でプログラム変更などで、当初の頃の写真や動画で失われたものもあるが、テキストは残っている。一人相撲を取っているようなものだ。振り返れば間違いや、勘違いも多くあるが、そのままに残しておくとしよう。
 本来ならジャンル別にきちんと整理しておくべきなのだろうが、これまた生来の適当さでバラバラである。世界中に公開されているはずだが、読んでいる人などは当然ながら極めて少ない。時の話題などになるとおびただしい数の訪問を受けるが、普段は静寂そのものである。

 在職中や退職後のあれこれが詰まっている。全てを吐き出してしまった感もあるが、まだ若干の何がしかが残っているのかもしれない。
 後期高齢者のいろんな書類な来ている。健康保険料が大幅に安くなるので、これは長生きした甲斐があったのかもしれない。まもなく高齢者運転講習の2回目が来る。脳のMRIはそれなりに白質化が進んでますと診断された。町内の区長職も一年半、それなりにトラブルも収まってきた。これだけは年の功というべきなのだろう。

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by watari41 | 2016-07-21 20:56 | Comments(2)

衰退

 「昭和」から「平成」に移るあたりが日本繁栄のピークであったのだろう。
期しくも天皇が譲位(退位)したい意向を示された。テレビに映る都度、大変な激務なのであろうことがよくわかる。今までよく頑張られたと思う。
 次の天皇の時代は日本「衰退」の道をたどるとみて間違いなかろう。皇室と、とりたてての脈絡はないのだが、一つの象徴的な出来事として捉えている。
 アベノミクスは、最後の打ち上げ花火みたいなものだと思う。お札を際限なく発行し続けている。もう一度バブルを起こそうとしているかのようだ。そのお金は下々に回らないだけで、入るところには入っている。そんなことをしても今なお、日本の信用力は相対的にみて、まだまだ高いというのだから驚くしかない。

 対比されるのが英国である。繁栄した期間が長かったので蓄積があった。現在のエリザベス女王の戴冠式は、もう60年以上も前のことだが平成天皇が皇太子の時に参列したことを記憶している。当時は既に衰退期に入ったとされる英国であった。
 長い期間を経て、EUに活路を見出そうとしていたが英国衰退は止まりそうもなく、かつての繁栄を懐かしむ老人がこぞってEU離脱に一票を投じたとされる。残留も離別も地獄の状況に変わりはないとされる。繁栄も衰退も先進国なのである。大いに見習う必要がありそうだ。

 日本の状況は、我々も戦後のゼロ状態を知っているし、世界に冠たるだったと思っている大阪万博などの繁栄も経験しているので、英国老人の如き郷愁感などはない。
 若い方々がゼロ体験に乏しいので、急激な衰退が起こった時には弱い。
 衰退とは「円の価値低下」に他ならない。円安となれば一時的に国内的にはおおいに助かるのだが長期的にみれば没落である。
 昭和40年頃、英国ポンドは1250円だった記憶がある。現在はその十分の一でしかない。購買力が落ちたのである。英国は通貨を切り下げつつ、現在まで持ちこたえたのである。

 力をつけつつあるのは、中国「元」であるが、繁栄の頂点は意外に早いかもしれない。異形の市場経済と言われながらの発展なので、問題点が多くありそうだ。

 今世紀は世界全体が衰退期をむかえるのだろうと思っている。あくまでも経済の話ではあるが、政治は経済に動かされているのである。

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by watari41 | 2016-07-14 12:03 | Comments(0)

誤魔化される

 選挙で一票を投じるというのは、本来考えれば考えるほど難しいものなのである。
 舛添さんを立派な政治家だと信じて投票した方は、当時200万人以上いたのである。国際政治学者として華々しくデビューしたのは、何十年前のことだったろうか。
 よくも皆さん、ゴマカサレ続けたものだ。
 こういうことを見るにつけ、投票所に足を運ぶ人が減り続けた結果が現在の低投票率状況なのである。
 特に若い人ほど、政治不信がひどくなっているのだと思う。
 もっと前から小さく叩かれるべき人であったのだ。実態が公けになってからのテレビのパッシングはひどすぎる。なぜ、もっと前に取材して報道しなかったのだろうと思えて仕方がない。毎週の温泉通いなどは、簡単に把握できているのだろう。これも報道の自由度世界72位の実態なのだろうか。
 投票所で名前を書いて当選した人が、とんでもない人だったというのでは救われない。次回に投票すること自体をためらってしまう。

 政治ではないが「生き仏」とされる長野善光寺貫主が、セクハラ疑惑で罷免されるかもしれないというのも、あまりになさけないことだ。
 本来なら、そんな嫌疑をかけられるべきことが、不名誉極まりないないというか、立場上許さるべきことではない。昔の人ならとうに腹を切っていただろう。
 貫主は、ゴマカシにごまかしを重ねて現在の地位を得たのであろう。

 本来なら最高の特権的地位ともいうべきところまで、登りつめる人ではなかったのだ。
 「殿、利息でござる」の穀田屋さんを「本物」の人間とすれば、上記の人たちは偽物人間でしかない。誤魔化しは、我ら凡人も結構やっているのだが、社会的影響などは無いに等しい。
 公人とは何かを改めて知らさせられたようなものだ。

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by watari41 | 2016-07-06 16:39 | Comments(2)