<   2015年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

生きたお金

 大震災で壊滅的な打撃を受けた宮城県亘理町荒浜地区に2軒の豪商があった。武者屋さんと江戸屋さんである。
 津波被害で今や見る影もなくなってしまったが、江戸時代に荒浜湊は米の一大集積地であり、海運業が盛んだった。巨万の富を得た商家は今に続く大富豪でもあった。

 明治から昭和初期にかけての膨大なコレクションが両家にあることは知られていたが、我々が目にすることはなかった。
 今次震災は、これらのものものみこんでしまったが、貴重な品々なので関係者によってレスキューされた。
 数万点にもおよぶこれらの品々は、丁寧に処理され分類された。
 昭和13年に52歳で死去した江戸屋当主は、同時代に生きて当時より有名であった、竹久夢二・岸田劉生や斉藤茂吉など、近代日本を代表する芸術家とも親交があり、その方々の肉筆書や絵があった。今になってみると実に貴重なコレクションである。この他に夏目漱石・芥川龍之介・柳原白蓮・坪内逍遥の肉筆書類など、こんな田舎にいて直接お目にかかっれるとは思ってもみなかった。
 金銭的価値も莫大であろうが、歴史的な価値も高く、実に有効なお金の使い方をしていたものである。資料館の関係者も良い仕事に恵まれた。
 わずか百円の入館料を支払い見学してきたが、これほどの至福感に包まれたことはかつて経験したことがない。昔流に表現すれば「良い眼福を得た」ということになる。

 武者屋さんは、武田信玄の武将であった土屋家の子孫で甲斐国より流れてきて、この地に落ち着いた。「落ち武者」からとった苗字なのだろう。江戸時代に仙台藩の有名絵師であった菅井梅関・東東洋・・など10名の画家が逗留した記念として、一幅の掛け軸にそれぞれが猫の絵を描いている図が面白い。

 現代の江戸屋さん当主は、私などと変わらない年代の方だが、お前は一生、就職などしなくとも食える分はあるだろうから好きなことをやれと親から言われて、当時出来たばかりの原子核工学科に学んだということを聞いた。世に人は様々である。

[PR]
by watari41 | 2015-02-26 17:44 | Comments(2)

矛盾に胡坐かく

 日本人の宗教的矛盾はよく指摘されているが、それ以外にもおびただしい矛盾を抱えて生活している。矛盾を矛盾とせず、当たり前のこととして、その上にどっぷりと胡坐をかいている。本人が何とも思わなければそれで良いのかもしれない。適当に折り合いをつけているのである。

 逆に言えば何でも許容できる体質を我々は抱えているのかもしれない。面倒なことは少しづつはぎ取り、最後には抵抗感なく何も無くしてしまう。

 例えば、子供の頃に身近な人の命日には「生物(ナマモノ)」を食べないという習慣があったことを回想する。肉・魚を食わない。いわば精進料理に徹していた。
 ところが、一日3食全部ではきついと、朝食のみを精進にしようとなった。次には一口精進と言って、ご飯を一口食べれば、後はオールOKとなっていった。そのうちに何にも無くなってしまった。 私が存命している、わずか70年の出来事でしかない。
 先日、有名なお寺さんの番組があった。寺の修業期間以外は何でも食べてますとおっしゃる。栄養状態の良さそうなお坊さんが話をしていた。そのうちに我々と同様になるのかもしれない。
 そういうことが、世の中いろんなところにまかり通っている。
 便利な解釈が出てくると、皆がそれに付き従う。

 だが、科学の世界ではそんなわけにはいかない。何故の矛盾なのかを考える、原因を突き詰めてゆく。そんなことが発明・発見となり現代文明が進歩してゆく。矛盾の上に胡坐かく、などというのは許されない。
 奇妙なことに、その矛盾が黙認されていたのが原子力発電所だった。事故が起きて、あまりにも大きな矛盾を抱えていることに気付かされた。
 しかし残念なことに、その矛盾を無視して胡坐をかこうとしているのが再稼働なのである。
 今にして思うと、日本人の一面では便利な考えだが、他面ではあまり合理的とはいえない昔からの生活習慣が、こういうところにも影響を及ぼしているのかと考えざるを得ない。




[PR]
by watari41 | 2015-02-21 17:34 | Comments(2)

縦横の計算

 仙台市の選挙管理委員会が、投票総数と開票数が一致しないので、その分を白票で水増ししたという事件が明るみに出た。千票ていどの誤差が生じていたように。
 私は、かねがね投票所に行くたびに不思議に思っていた。大勢の役場職員がいて、全てが手作業なのである。選挙人名簿と突き合わせる、ナンバーリングで数をカウントするなどなど、こんなことをしていて、開票の時によくピタリと数字が合うものだと妙な感心をしていた。今回の事件をみると数票程度のことは、どこでも暗黙のうちにやっていたのであろう。

 現職の頃、こんな単純な数の計算に苦労していたことを回想している。
 いわゆる、縦横の小計同士と合計が一致しないのである。電卓を叩いて必死になってやっていた。徹夜したこともある。
 昭和55年頃に、マルチプランだったか、ロータス123なのか、どちらが先だったが忘れたがこの種のソフトができて、こういうバカバカシイ作業がなくなった。現在のエクセルの前身である。

 選挙を何故に電子化しないのか、不思議に思っている一つである。ボタンを押すだけだと公平性が保たれないとか、確実性がないとかいろんなことが言われている。
 しかし、今回の如きデタラメなことは、前々からかなり起きていたと考えて間違いない。
 電子化したって間違いはあるのだろうが、単純化できるし、スピードもまるで違うはずだ。選挙事務を少しでも前進させるべきだと考えている。現在のままでは進歩がない。
 宮城県の白石などで実験が試みられたことはあるのだが、どんな問題点があって改善できるのかどうかもわからずに、前に戻ってしまった。

 我が町にも、10箇所くらいの投票所がある。いずれも近隣の町内会役員が立会人として、5人ほど雁首をそろえて、投票に来た方々にご挨拶している。一万円程度の日当をもらっているそうだが、これまた暇つぶしもいいところだ。

[PR]
by watari41 | 2015-02-12 11:10 | Comments(5)

イスラム国

 第三次世界大戦が始まったようなものだと言う人までいる。
 長期に渡る戦いとなるのだろう。

 先日のNHK特集を見ていて驚いた。バクダディ首謀者をまるでアメリカが育てたかのようだ。日本も巻き込まれつつあるのを危惧している。

 現地ではおびただしい破壊と殺戮がある。膨大な戦費を使って武器・弾薬が投下されている。昔から「死の商人」とされる兵器業者が暗躍しているのだろう。
 
 ジャングルの首狩族野蛮人を思わせる殺人など、現代文明がいまだ及んでいない砂漠地帯に暮らす住人の生活は惨憺たるものがあるようだ。そこに戦争が加わったのだから大変なことになっているのは想像に難たくない。
 そんな現実の実態を知らしめるべく、飛びこんでゆくジャーナリストがいるのだから驚嘆していた。職業魂の成せる業かもしれない。仙台の人でもあるので、関連の情報も多く流れている。
 不幸なことになってしまったが、「仇討」をしようなどとは思わないでほしい。湯川・後藤さんもそんなことは望んでいないはずだ。

 日本政府は、膨大なODAなどの人道支援を行って、現地の首脳などから感謝されているとされるが、これが末端住民まで行き渡っているのか否かがわからない。イスラム国と闘う原資になっているのかもしれない。日本はイスラム国を名乗る彼から見て敵国となってしまった。

 ここ何年かでは、アメリカのイラク戦争に始まる失敗に次ぐ失敗があった。その前の第一次世界大戦から、第二時大戦にかけては中東でイギリス・フランスがやり放題の適当なことをしてしまい、そのつけが回ってきた。西側諸国は信用できないということでもあろう。

 しかし、その富を取り込んだドバイなどの発展は目覚ましく、同じ中東ながら天と地の差異が生じてしまった。
 その根本原因が石油なのだと考えている。中東の混乱が続けば価格上昇するはずの原油が値下がりしている。基本戦略はそこだったとアメリカだって気づいたはずだ。更なる原油暴落のシナリオを練っているはずだ。

[PR]
by watari41 | 2015-02-06 11:44 | Comments(0)