<   2006年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧

妻の闘病(16)

 「患者よ、ガンと闘うな」という本が、10年ほど前に大変な話題になった。今でもその余韻があり何かと、その内容を取り上げられることがある。一般の人々はもとより、専門家の間にも強い衝撃を与えるものだった。

 「治療」によってガン患者はあらざる苦痛におとしめられている。治療をしてもしなくとも生存率にあまり変わりは無いというのである。治療の主たるものは、抗がん剤であるが、これはほとんど効果がないものでいたずらに苦しみを与えるだけのものだ、などというものである。
 
 本当のガンと、「ガンもどき」があって、早期発見で治ったと称するものは、ガンもどきである。従って検診や早期発見も意味がない。など刺激的なことがたくさん書いてあった。
 だが、これらは世の人々を惑わすものだと専門家が強力な反論を試みたり、この本にはいろんなことがまつわりついた。それまでの常識を打ち破るような事柄だったので、大きな反響をよんだのであろう。
 薬剤業界、医師、病院など、利益を共有する人たちの鉄のトライアングルがあるなどとも言われ、それら医療業界の秩序を乱すものであるからこそ強い反発を受けたのだともいわれた。

 妻がガンになり、いろんな検査を受け、説明され治療を受けて、薬を渡されているが、医師の言うことを聞いているとこの本に書いてあるようなことが今更ながらに思い返される。
 医師からは、抗がん剤は延命治療であるとのことわりがあり、飲むと苦しくなるので薬を飲むか飲まぬかは患者が判断してもよいなど、ガンに関する認識も大きく変わりつつあるようだ。この「本」の影響は、計り知れぬほど大きかったのだと思う。

 本の著者は、慶応大学の近藤さんという方で、自らも医師の立場で、よくも思い切ってこんなことを書いたものだと思う。さまざまな歴史をみると世の中は案外にこういう一見してとんでもない発言をする人がいてそれまでの常識が変わっていくことが多い。
[PR]
by watari41 | 2006-07-29 09:19 | Comments(3)

妻の闘病(14)

 生活習慣の良し悪しが病気の主な原因だとよく言われている。では、どんな生活習慣が良いのかといわれると答えはこれまた難しいようだ。
 一見して良い生活習慣を実行しているような方でも病気に罹る。生活習慣を決定付ける大な要因は、日頃の食べ物ではなかろうか。バランスの良い食事をしなさいとはいわれるものの、それだけで病気を防げるわけではない。
 現在は、一種の自然食ブームである。無農薬栽培とかに信仰的ともいえる思いを寄せている方々も多い。自分で作る野菜も流行っている。考えてみれば百年ほど前までは、全てが無農薬野菜だったはずである。

 私は退職後に、思いもしなかったことに「稲作損害評価委員」なるものを頼まれた。この分野も人手不足なのだ。凶作時の損害判定なので10年に一度程度の出番がある程度のことらしい。
 その関連で、週に一度の割合で農業新聞が送られてくる。読んでいて実に面白い、こんな世界もあったのだと思うようなことがある。農作物の最新の技術や、ITの活用など興味ある情報も多い。
 一様に、消費者の健康を考えてというコトバがでてくるが、それは現在認知されているというか、良いとされている事柄で、それを押し出すことで、また消費拡大にもつながるからだ。ガンの予防をうたう食物まである。

 ガンは、その発生原因を、はっきりと確定できないものが多い。良い習慣を実行しているつもりでも、その人の固有の健康に係る体内情報とマッチングがとれていないと意味をなさないものなのであろうかとも思う。

 これまでの生活習慣を改めるのは大変なことであるが、一般に人は医師の一言に弱い。今のままでは大変なことになりますよと言われると従わざるを得ないのである。しかし、それは必要条件なのかもしれないが十分条件ではないのである。
 人類が病気から開放されることがあるのかないのかわからないが、今後もいろんな試行錯誤が続いてゆくのだと思う。


妻の闘病(15)

 妻の正確な病名がわかるまでには、かなりの時間を要した。かかりつけの医者の誤診が、病気の発見を遅らせた。
 40年も前になるが、誤診が大きな話題になったことがある。当時日本一の名医といわれた東大の沖中博士が退官時の記念講演で在職中の誤診率が14%であったと話されたのである。一般の人々は、そんなにも多いのかと驚いたが、医師の間では、さすがは大先生であると、その少ない数字!に敬意を表されたということを回想する。専門家と一般の人々との間には大きな認識のズレがあったのだ。
 当時は、一般の人々の医師に寄せる信頼は、現在とは比べようもなく高かったと思う。医師が間違えたことをしていても医師本人が告白しない限りは、それをわかるすべがなかったのである。今のような、セカンドオピニオンなどということは考えられもしなかった。

 誤診は、大きくは2つに分類できるようだ。医師の知識不足によるものと、もう一つは思い込みによるものだそうである。妻の場合は、そんな病気であるはずはないという、かかりつけの医師の思い込みがあった。痛みを訴え、極端に悪化していたのだが異常はありませんという言葉が繰り返されたのである。
 妻はそこで、やむなく別の診療科の医師のところにいった。そしてその診療科のガンが発見された。しかしそれは転移したものを見つけたに過ぎなかった。その発生源を探さなければならないと、これまた時間がかかってしまったのである。
 結局は、その発生源というのは、かかりつけの医師が専門とする分野のガンだったのである。大変な回り道をしてしまった。妻は、病名確定までの間に、いろんな検査で大変な苦痛を受けた。そして貴重な二ヶ月もの時間を無駄にしたことになった。

 運の良い人は、最初の診断で初期状態の病気が発見されて一命を取り止める人もいる。今更に悔やんでも仕方のないことである。最新の医療機器が発達しても、診断を下すのは医師である。
 かつて人間は誤りをおかす生き物である、などという、哲学的な言葉を発した方もいたが、そんな時代ではなくなった。誤診を少なくしていくのは今後も大きな課題なのだと思う。

(15)へのコメントが以下です
Commented by schmidt at 2006-07-23 17:42 x
(コメントの1) 医師の「見立て」は本当に重要ですね。一昨年、かみさんがヘルニアで手術を受けた際、術後の感染症(らしい)で苦しみました。手術そのものは成功したというらしいのですが、退院予定の前日に40度以上の発熱が出て、苦しんでいる患者を1週間以上、点滴以外の何の手当てもせずに放置されました。
 主治医はあと2週間から1ヶ月の入院が必要だというのです。理由をきくと「われわれとしては手は打った。どちらかというと患者さん自身の問題」と、事もなげに言うのでした。

Commented by schmidt at 2006-07-23 17:42 x
(コメントの2) 感染症の検査結果が出ていないので「どうしたのか」とたずねると、間もなく結果は出るというのです。週末のために遅れるというのでした。てっきり外部の検査機関に検査を依頼しているのかと思っていたら、院内で調べるが週末なので、結果が出ないと言うのでした。それまで患者は苦しまなければならないのか、聞いたところ「患者自身の問題」というせりふが飛び出しました。本人の心理状態がかなりおかしかったので、わたしはその段階で退院させることを決意し、すぐに出してほしいと要求しました。「命は保証できない」とまで言う医師と一昼夜すたもんだした末にやっと退院。東北大の外来でいちから検査を受けさせました。2日目に医師が傷口をしっかり洗浄してくれ、1週間で直りました。
  医師の「見立て」次第で患者の命はどうにでもなります。
Commented by 大平達郎 at 2006-07-24 05:32 x
05年6月1日佐賀市におそらく日本で唯一つの、ユニークな病院が誕生しました。どんな病院かと言うと建物からしても木造 栗や杉板 床下には竹の炭が敷かれ建物全体が人と融合している建物自体が呼吸している コンクリートやプラスチックの床ではない。(ある児童専門病院は完成直後にはアルヒデド発生で開院が遅れた)院内のレストランのメニューはすべて自然食 人体を部品「臓器」の集合体とみなす西洋医学は患者に深刻な副作用と心の癒しを与えられることは無いと思います。
患者も家族も徹底的に自己防衛に徹しなければならない時代になりましたね 心の無くなった現代医療が悲しい しかし少ないけれど「癒しの医療」を展開している病院・医師が増えていることが救いと思います。
http://www.cosmic-energy.co.jp/yhc/yhc.cfm
Commented by michiko at 2006-07-24 20:37 x
現代医学の発達は人間は心を持っているということを忘れてパーツの組み合わせとして考えているようです。医療行為が病院経営の経済活動という悲しい事実を感じております。
Commented by watari41 at 2006-07-26 08:48 x
 医療の問題はいろいろとありますね。ご近所のことですが、おばあさんに孫が手がいたいと訴えたので、医者に連れて行ったところ腕が骨折していると言われ、看護婦に幹部を固定しておくように命じ、治療が終わって、家に戻ったが、夕方に嫁さんが帰ってきてからも痛がるので、再度医者に医者につれて行ったら、骨折していない方の腕を固定してしたのだという、うそのようなホントの話がありました。
schmidt さんも早めに手を打たれ、ことなきを得ましたね。それにしても奥さんは大変なことだったと思います。コメントをありがとうございました。

Commented by watari41 at 2006-07-26 08:49 x
 仙台のさる大病院の最上階にホスピスがあって、そこに知り合いの患者を見舞いにいったことがあります。そこは確かに室のつくりはすばらしく、和風で障子などもあるのですが、看護婦の対応が全くなっていないのです。ひどいものだと思ったことがありました。魂入れずなのです。佐賀の病院は両面に配慮しているようですばらしいことですね。大平さん、いろんな情報とコメントをいただきありがとうございました。

michikoさん、「千島学説」をご紹介いただきましてありがとうございました。興味ある事柄が多いですね。気が人間の各パーツにどのように作用していくのかなど私なりにいろいろと想像をたくましくしております。今後究明されるべき課題ですね。早く詳細を読んでみたいと思っています。コメントをいただきありがとうございました。
[PR]
by watari41 | 2006-07-17 15:38 | Comments(4)

妻の闘病(13)

 50才代で、奥さんをガンで亡くした同僚がいた。その彼がふり返って言うには妻の闘病を数年間も支えられたのは、今より10年も若かったので、体力・気力共に持ちこたえることができたのだろうというようなことを話していた。

 60代の半ばを迎えた私は、率直にその話を聞いた。今年4月に妻の病状が確定し、数ヶ月間は緊張し病院通いを続けた。しかし、その疲れが蓄積してしまっているいうな気がしている。
 もっと歳をとった人たちの老々介護のような状態となると、悲惨なことが現実に起こることを理解できるのである。

 病気が何故起こるかは、難しいことのようだ。頑健な体であればというようなことでもないようだ。
 王監督が手術せざるを得なくなったのには驚いた。食事など健康には人一倍気をつかっていたのだという。飲酒やタバコなど、病気になるべくしてなったような人は別として、予防医学である健康診断をきちんと受けているからといっても、どこまで期待できるのかは疑問なところもあるようだ。
 生まれつき、虚弱体質なのでと言っている方が、大病もせず長生きしている例も多い。まだまだ医学にはわからないことが多いようだ。

 現代社会で我々は常々、健康には最も深い関心を抱いている。今までに聞いたこともないような、カタカナ医学語が頻繁にテレビに登場してくるのもその為である。
 それが病気とどう関連するのかを説明されているのをよく見ることがある。繰り返しでてくるとなんとなく覚えてしまう。マクロファージであるとか、それを図解されながら解説を受けると何となく分かったような気になるから不思議である。
 だが、風邪をひいたり、それを治したりというようなごく単純だと思えるようなことが、まだよくはわかっていないらしいのだ。
 しかし、年齢を重ねると、病気に罹りやすくなることだけは確かなようである。しかしそうかといって一般人が体を鍛えすぎたりするのはよくないらしい。人間の体は単純ではないようだ。
[PR]
by watari41 | 2006-07-12 09:02 | Comments(4)

妻の闘病(12)

 「末期ガン」なので治療のすべはないのですと医師から言われても、家族としてはなかなか納得しがたいものがある。
 医者は、医学的に意味のないことはしたくないということなのだが、肉親として何とかならないものだろうかと思うのは人情である。
 これを狙った悪どい商売が横行したことがある。かつて新聞の一面下欄の広告に「末期ガンに有効なアガリスク」などの文字が踊ったのは数年前のことだった。冷静に考えればおかしな話なのだが、身内にすればワラをも掴む状態なので、飛びついた人も多かったと思う。しかしこれが真っ赤な偽りだということが判明した。このイカサマに多くの人たちがだまされた。一流新聞にどうしてこんなことがおこりえたのだろうかと不思議に思う。

 こんな話とは別に、医師からサジを投げられた「末期ガン」患者が苦心惨憺して、生還した例もある。ジェイソンさんという方だ。その人は古来からの文献を調査して世界中を飛び回って有効なハーブを探し出して、奇蹟のような回復を遂げたのである。
 その貴重な体験を著している。「ジェイソン、ウインターズ、ストーリー」という本である。ご本人のそれこそ死に物狂いの体験談だ。
 その方が見つけて処方した、ハーブ茶を今や全世界で65百万人もの人々が飲んでいるのだという。妻も知人から勧められてこれを飲んでいる。

 この他に「タヒボ茶」というガン治療に実効性が確認されている民間薬も服用している。
タヒボは各種ガンへの有効性が証明されていて、特許も取得されている。
 アマゾン地帯に自生しているそのタヒボという樹木の皮にガンを直接攻撃する物質があって、薬効も確かなようだ。高価なものではあるのだが、これにも一縷の望みを託している。

 妻の闘病は,始まったばかりともいえるが、状況からしていつ急変するかはわからない。今のところ小康を得ているのは幸いである。奇蹟的なことがおこることを期待しながらこのシリーズを記し、病状を見守っているのである。
[PR]
by watari41 | 2006-07-06 09:00 | Comments(3)