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余日録


by watari41

古紙再生:番外編

 前回の「古紙の配合率」に、”再生紙製造は重油を使うので環境への負荷が大きいと、今になって製紙業界が言い出している”とのコメントをもらった。
 紙の製造には疎いながらも、ネットを使って調べてみた。「ゴミゼロネット」というHPがあった。その詳細ページで(http://www33.ocn.ne.jp/~gomizeronet/010505.htm)2001年に、この問題が大きく論じられているのである。日経エコロジー(2001年4月号)の記事を「ゴミゼロネット」HPにそのまま載せていると思われるので、その一部を下記に掲載させてもらう。
 つまり、当時から、そういう議論があったが、環境省に押し切られたというのである。
下記の記事にはその前後の文があり、パルプの製造を重油に換算すると、古紙から作るパルプは重油を多く使うことになるというのである。
 しかしながら、古紙をそのまま捨てれば大量のゴミとなるので環境に悪い。バランスの取れた数字があるはずだというのだ。

 これは重油換算に関する技術論で、7年前にそんな論議があったことをそれなりに理解はできるが、そうかと言って、今回ハガキなどに規定通りの古紙が入っていなかったいい訳にはならない。民間会社になった郵便は、環境保全配慮へのシンボルにもしていた。製紙業界はもっと早く公に意思表示をしておくべきだったのだ。

 コメントをいただいたお陰で、製紙会社のHPなどから古紙再生方法などを勉強させてもらった。ネットは誠に便利である。


 日経エコロジー(2001年4月号)
 「再生材料の比率が高い」から環境配慮なのか?

●古紙再生に力を入れるほど化石燃料の消費量は増加?

 「製品も十分に供給されているため、水準を下げる理由が見当たらない」(環境省)との判断による。
 グリーン購入法の基準は一つの目安であって、「これのみが推奨されるものではない」との断り書きと併せて示されている。とはいえ、「国の後に付いていく人は多いはず……」と、日本製紙の二瓶啓・技術本部環境部長は、戸惑いを隠せないでいる。
 古紙リサイクルにバランスが傾きすぎるとエネルギー利用に歪みが生じ、紙・パルプ産業全体として化石燃料の使用量が増えてしまう懸念があるからだ。
 バージンパルプには、薬品で木材を溶かして抽出する「化学パルプ」と木材をすりつぶして分離する「機械パルプ」の2種がある。機械パルプは木材を処理する工程に大量のエネルギーを使うため、近年は化学パルプが主流になっている。一方、再生紙の原料は、古紙をリサイクルした脱インクパルプ(DIP)として供給される。
 化学パルプの製造には、パルプlt当たり重油換算で212L(リットル)、DIP(新聞古紙の場合)の製造には、同85Lのエネルギーが必要となる。ただし、化学パルプでは、パルプの原料となるセルロースを分離した後に、木の構造を支える成分「リグニン」が廃液(黒液)として残り、これを製紙工程の燃料に利用できるメリットがある。これを加えたエネルギー収支をみるなら、化学パルプの方が勝っていることになる。

註:「木材を溶かした(化学パルプの)場合、その廃液を燃料として重油換算するとパルプlt当たり310Lが生じるので、差し引きではマイナス換算となる(重油を使っていないことになる)。古紙は燃料分が発生せず、そのまま85Lなので、重油換算上は劣ることになるのだ。」

 森林資源の保有状況や、製造時に用いる化学物質、リサイクル処理に伴って発生する汚泥の問題なども関係してくるため、化学パルプとDIPの優劣を簡単に決めることはできない。しかし、「100%製品」の需要が必要以上に膨張し、各社が“自然体”で進めてきた古紙リサイクルの取り組みのバランスが崩れると、環境負荷が余計にかかったり、コスト増を招いたりする結果になる。

(やや古い記事ではあるが、無断で使用させてもらった。いずれ消去したい。)
Commented by クオリア at 2008-01-26 16:31 x
すべての問題の裏には何かが潜んでいるのですね。アミーバーのように繋がりがあって 全体としてオープンにならず 環境破壊に繋がってゆくのでしょう 都会の夜のシャンデリアは輝いていますし 私も石油ストーブをやめることが出来ません。高齢のためにマイカーは止めましたけどね リサイクルの内部に潜む問題は色々と難しい問題があるのでしょう。
汚してしまった後の処理は完全にはできないのでしょうか 情報ありがとうございました。
Commented by watari41 at 2008-01-27 19:08 x
 いつも都合のいい話が、まかりとおっていくんですね。地球にやさしいなどというのは尊大なことだという人もおりますね。一旦、その風潮が出来てしまうと、なかなかそれを訂正することはできなくなってしまうんですね。いつも原点に立ち返って考えなおしてみることが必要なんですね。クオリアさん、コメントをありがとうございました。
Commented by morikou at 2008-01-30 18:14 x
これもスキン変更技術ですね。すごく活字がみやすいです。。。。浮き出た感じで。でも仁さんお人柄には 前のイメージがまだこびりついています。。。これも馴れなのでしょう。また ネット時代とは百科事典も遥かに 超えたような辞書(教育書)になるんですねえ。。。えらい世の中になったと思います。未だにこんな 野暮なことつぶやきながら 過ごしてる悪がき、ボケ爺です。
Commented by watari41 at 2008-01-31 14:48 x
 200種類くらいのスキンが標準で用意されているんですね。いろんなものがあります。また戻してみましょう。
百科事典を超えるものがネットにできつつありますね。ウイッキペディア辞典です。皆でつくる辞典ですね。morikou さんコメントをありがとうございました。
by watari41 | 2008-01-26 11:21 | Comments(4)