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余日録


by watari41

口には出せない

 今年を回顧する報道が多くなってきた。警察が犯罪捜査の協力者に支払う報償費というものがある。その取り扱いをめぐる話題が賑やかだったが、うやむやのうちに決着した形となった。2005年宮城県の大きな出来事のひとつだった。

 これまでは警察の支払い実態が不明であるとして前知事の浅野さんは県警にその予算執行を止めていたが、新知事はこれをあっさりと解除してしまったのだ。
 浅野知事が目玉にしていた情報公開に係る重要な事項の一つだった。しかし、警察は頑強に公開を拒否し続けた。何故にそうまで頑なのだろうと誰しも考えた。単純に内部の飲食費に使っていたのなら謝って済むことである。こうまで拒否するのは何かがあるのだろうということは大方の予測するところだった。

 県警の言い分は、治安の秩序維持を計る為にどうしも欠かせない情報提供者に支払うお金であり、その名前を明らかにすることはできないのだというのであった。
 文字通りに受け止めれば、犯罪とか秩序を乱す多くは暴力団や右翼が占めている。それらの動向は治安の維持に重要である。それ故に、その関係者からの情報収集は大きな意味を持っている。平たい言葉でいえばヤバイ人たちとの接触である。それら協力者への費用支払いというのが一般的には妥当な解釈であると思う。

 こういうことであるとすると、警察は間違いなく公共の治安維持に使っているお金なのだが現代社会のモラルからして、そんなことは口が裂けてもいえないことなのであろう。

 何十年か前に、暴力団幹部の葬儀へたくさんの警察関係の花輪をみて不思議に思ったことを回想するが、当時はまだ半ば常識みたいなところもあって、問題ともされていなかった時代であった。犯罪を起こす側と取り締まる方は持ちつ持たれつの関係があり、今も継続しているのであろう。

 先日、NHK地方版でこれに関して、このようなことを暗に示唆するともとれる内容の番組を組んでいたが、社会通念も時代とともに変ってきている。それがトラブルの一因ともなっているようだ。
Commented by imaizumi at 2005-12-16 10:04 x
オンブズマンが黙ってる筈はないだろうと期待していたのだが…。
Commented by カメチャン at 2005-12-16 16:36 x
その種の自由になる金が必要であるのはある程度は分るが、時々浅野さんみたいなゆり戻しをかけなければ必ず変な方向へ向っていく。何故なら彼らは絶大な権力を持った公務員であり、自己管理能力に限界があるからだ。具体的に何が困るのか宮城県警は説明をしているのですか。かって仕事関係のお付き合いで警察の仕事をしたことがあった。その時感じたのは体質が相当古いということだった。もちろん急には変われない典型的な部門ではあろうが。庶民にとってあまり当てに出来ない傾向がますます強くなるのは仕方ないことだろうか。
Commented by watari41 at 2005-12-17 08:51 x
 警察の自己管理も昔は多少はおかしなところがあったものの、個人レベルでは相当に働いていたと思われるのですが、最近はかなり怪しいですね。その権力というのはものすごいものがあって、半ば聖域化されてますね。必要なお金は県から出るのですが、言われるままに支払うだけで、これまではどのように使うかは、警察の勝手みたいなところがあったのですね。それはおかしいと意義をとなえたのが浅野前知事で、多少県民の人気取りのようなところもありましたが、言っているのは正しいことなのです。
 アメリカなどでもCIAの使うお金は、誰も口出しできない聖域みたいですが、それなりの自己管理は当然求められているのだと思うのです。
カメチャン、コメントをありがとうございます。
  imaizumi の言われる、オンブズマンもその追及には限界があるようですね。
by watari41 | 2005-12-14 08:04 | Comments(3)