選挙の風

 東京の都議会議員選挙で、小池百合子知事が旋風を巻き起こした。
 その前には、小泉さんも同様にブームを起こしている。
 メディアでは「風」と呼んでいるが、一種の「はやり熱」みたいなものだろうと思っている。
 多くの人が感染してしまう。
 では感染源は何だろうかというと「テレビ」に他ならない。テレビを見ていない人には感染しない。新聞には、それほどの感染力はもはやない。
 NHKではなく民放に多大な感染力が多くあるのだと考えている。面白おかしく伝えるべく、芸能人や解説者を招いている。いやがおうでも感染してしまうことになる。
 テレビの出始め頃に評論家の「大宅壮一」さんが評した一億総白痴化現象が止まらないのだと思っている。60年も前に見事な予言をしたものだと思う。

 「風」とは空気の移動である。その空気は作られる。
 物理的な空気でないことはいうまでもない。
 小さくは、その場の空気、会社の空気、地域の空気などいろいろある。空気を読むのが大変なことはよく知られている。その空気というのはなかなか移動しない。人から人へと伝わりはするが、移動範囲は限られる。したがって通常は「風」を巻き起こすことなどは極めて難事である。
 それが、選挙ともなると簡単に起きてしまうのだら不思議と言わざるを得ない。
 人から伝わるのではなく、テレビが伝えてくれるのである。一対一なのだが、実際には一対無数なのである。とんでもない風を送ってよこす。

 感染力の強い菌がばら撒かれる、あっという間に広がる。日本人は免疫力が極めて弱い。風邪に強くするにはインフルエンザなどと同様に予めワクチンが必要とだとさえいえる。そのワクチンとはメディアリテラシー(情報識別能力)である。
 しかし大衆をめくら同然にするというのが、権力者の願いでもある。戦前の大本営発表もそんな上に成立した。日本人の内実は何も変わってはいない。
 風を起こすノウハウも、その筋には徐々に蓄積されているようだ。これからも何度か「風」が吹くことであろう。

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by watari41 | 2017-07-07 12:57 | Comments(0)