反乱(後)

 スノーデンさんという若いCIA職員が大量の機密情報を持ってロシアに亡命したのは4年ほど前のことである。ロシアのスパイだったからというわけではない。
 アメリカに対する一種の「反乱」なのである。世界に範たる民主国家である米国が、全ての国家や個人の秘密を盗み出すというような行為が許されるのだろうか、という素朴な疑問であったのだろう。
 各国首脳の電話などはすべて聞き取られていたのである。ドイツのメルケル首相は大いに怒りオバマ大統領に激しく抗議した。

 日本にも、そのスパイ技術はもたらされすでに実用化されているそうだ。それを合法化するのが今回の「共謀罪」なのだというから驚くことである。
 かの文部省前川次官も、その行動などはすべからく把握されていたのだろう。

 アメリカ人の「反乱」は、第二次世界大戦後にも起きている。原子爆弾の製造技術がソ連に流れたのである。当時の米国では冷戦状態にあったソ連が原爆を得るには10年を要するとみていたのである。それがすぐに出来たのである。いろんなスパイ活動が疑われた。
 だが、きわめて単純なことによる技術の流出だったのである。アメリカの原爆開発であるマンハッタン計画の最高幹部の一人だった若い天才科学者が、戦後にこのような兵器を米国が独り占めしておくのは世界の秩序を壊すと考えたようなのである。
 ソ連にも提供すべきだと考えたというのだから、これも不思議なことだ。最初に接触したソ連の人は、あまりに意外なことに本気にしなかったようなのだが、結局は早い開発に成功し、ウリふたつの原爆ができたというのである。
 逆にいうと、一瞬にして莫大な知的資産を失うほどにアメリカはそれだけ自由があるということなのかもしれない。

 コミー前FBI長官が解任された。トランプ大統領に反乱をしたからである。
 権力者からみると反乱だが、当事者にすると正義を貫いたということになる。
 米国は司法が独立しているのだから、大統領が弾劾されることもある。どんな結果が待っているのだろうか。

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by watari41 | 2017-06-09 16:15 | Comments(0)