横綱:稀勢の里

 「一日千秋」の思いとは、こういうことを言うのだろうと実感した。
 大勢の日本人と同様に、稀勢の里に一喜一憂していた。実力はあるのだが、このままで終わるのではなかろうかとも心配していた。
 「持続する力」を出し切れずにいた。
 白鵬を63連勝でストップさせた快挙もあった。そのままいけば100連勝くらいしそうな勢いのあった時の出来事である。今場所の白鵬は、確かにピークを過ぎている。

 日本人の若物が力士を目指すことは、かつてからみれば大幅に減少した。サッカーをはじめとしたプロスポーツの人気が高くなった。運動神経抜群の人材がそちらに流れている。
 従って学生相撲出身の力士が多くなっている。
 そんな中での稀勢の里は珍しい存在でもあった。
 学生のレベルが上がったのか、大相撲の実力が低下したのかはわからないが、かつては学生横綱でも三段目程度の力士に稽古をつけてもらっていたそうだ。解説で有名だった神風さんと同時代の玉の海さんが話していたことを記憶している。
 今や最強学生は十両下位程度の力がありそうだ。

 来場所からは安心して相撲放送を見ていられそうだ。
 筆者は、一度だけ蔵前国技館の時代に本場所を見たことがある。若島津が幕内に上がってきたころである。彼は親方としても、定年に近いのではなかろうか。物言いの際に土俵に上がる姿は、頭も薄くなったベテラン審判員である。

 もう一度、土俵をみたいものだが、かなわぬ夢になってもかまわないくらいの今回の稀勢の里の快挙である。
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by watari41 | 2017-01-22 20:22 | Comments(0)