夢が夢に終わる

 高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決まった。
 無尽蔵にエネルギーを生み出すのは見果てぬ夢でしかなかった。
 現代の科学技術なら、可能なのではなかろうかと私も考えたことがある。しかし実用化への壁は途轍もなく厚つかった。何兆円かをドブに捨てたことになる。

 核分裂は、この70年間日本には悪夢しかもたらさなかった。原子爆弾の惨禍、原子力発電所の大事故、その後始末にも天文学的な金額が必要だ。

 今もって、最も安い発電方式は「石炭火力」だとなっているのだから不思議な話なのである。日本での石炭採掘は終わっているが、世界的には資源も豊富で安価な石炭が大型船で運ばれてくる。マイクロ粉末炭にするなど改良の余地がまだまだあるようだ。新設の石炭火力発電所が申請されているのだから、今時不思議なことだとおもっている。
 福島原発から50kmほど北の海岸にある、南相馬市や新地町に巨大火力発電所があり、大震災で同様に被災したが、2年ほどで復旧した。
 残念なのは、莫大な二酸化炭素を排出し続けていることである。これを再利用してエネルギーに変える、それこそ石炭増殖炉みたいな計画もあるが、これまたいまのところ夢でしかない。

 ニュートン力学の世界を脱却して、新科学の時代に入ったとされてから百年近いが、武器として使用された以外は日常生活に役立つレベルには届いていない。
 核融合に至っては、夢の又夢である。その水素爆弾は遠の昔に出来上がっている。未だ戦争に使われていないのは幸いである。

 核増殖炉が夢でしかないことは、すでに10年前にわかられていたのであるが、止める決断がつかずにズルズルときてしまったのである。一旦始めてしまうと、ダメだとわかっていながらやめられなくなるのが日本でもある。

 アインシュタインは、今も自分の歴史的発見が人類に悪夢をもたらし、幸福には役立っていないことを忸怩たる思いで眺めているに違いない。

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by watari41 | 2016-12-23 13:14 | Comments(0)