富裕層

 「プライベートバンカー」という今年(2016)7月講談社から発刊された話題の本を読んでみた。著者は清武英利さん、聞いたことのある名前だと思ったら、読売巨人軍のコーチ問題でナベツネさんと係争中の人物である。筆も立つ人なのだ。

 日本には、一億円以上の預貯金をもつ人が200万人もいて増加中なのだという。この数字は生活保護世帯数160万所帯を上回るがこちらも増えている。貧富の二極化ともいわれる現象だ。アベノミクスが拍車をかけているのであろう。
 5億円以上ともなると、超富裕層と呼ばれ日本で税金を取られることを極端に嫌がり、税金の安い、あるいは無税の国に移住したがるというのである。

 パナマ文書が漏れて日本人名もあった。警備保障会社の創業者一族である。
 かつてから、日本周辺の海難事故などでパナマ船籍の貨物船ということをよく聞くのだが、要するに税金のかからないところに事業所をおいて活動したいということなのである。

 冒頭の本はシンガポールの話である。国策で世界中の金持ちを集めようとしている。我々は、街のきれいな観光地のイメージしかないのだが、富裕者の集まる金融の国である。子孫に無税で富を残そうとするなら5年間暮らして外国籍を取得しなければならない。ゴルフと遊んでばかりの日常も羨ましいようだが、辣腕をふるい昼夜の別なく働いて稼いできた方々にとっては退屈きわまりない生活をしなければならない。税金を逃れるのは実に大変なことだ。

 アメリカでは20代で巨万の富を築き、広大な屋敷を手に入れ趣味三昧の生活を送る人を凄いものだなと昔は眺めていたが、飽きてしまうのではないのかと思ったことがある。
 お金は無くてはもちろん困るが、ありすぎるのも始末に負えないもののようだ。

 そんな余計なことを考えるのは筆者など日本の貧乏人だからに他ならにないのかと思ってしまう。金持ちの気持ちというものを聞いてみたいものだ。

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by watari41 | 2016-10-12 21:03 | Comments(0)