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余日録


by watari41

出来レース

 雪解けが終わると再び始まるのが宮城県内に散在している「放射性指定廃棄物」の集約地を決める測量・調査である。

 集約の候補地として、3市町が上がっている。栗原市・加美町・大和町である。
 このうち、加美町は調査そのものに、町長をはじめ住民が文字通り、体を張って阻止しようとしているのがローカルテレビ・新聞で報じられている。
 廃棄場所に適しているところなどは有り得るはずはないのだが、何故、加美町がそこまでと思っていたら、そこに住む人の話を聞いて納得した。
 それは「出来レース」だからなんですと語る。
 山奥まで、ダンプがすれ違える広い道路があるのは、加美町だけなんですと。他の2市町は山を削り谷を越えての道路建設からせねばならず、そんなことをするはずがないという。
 そういうことだったのですかと理解できた。

 「出来レース」の最たるものは、入札における談合である。建設業界は有名であり、噂の段階でもそのニュースが流れ結果も同様だったということもよく聞く話だ。結束を守るためその掟は厳しいものだと聞く。
 町内の零細な業者が仲間から外されて、一般参加しようとした時のこと、昨日まで顔を合わせていた受付の若い同業の男から、あなたはどこのどなたですかと言われて、バカにするなとどなりつけたことがあったとか。

 はじめから「事」が決まっていて、公募の体裁を整えるためにやることだってたくさんあると聞いている。2015年4月16日の河北新報の一面に、環境省が電力出身者を大量採用との記事があった。これも出来レースであったのだろう。

 日本のお役所に特有の事情なのかもしれない。「事」をスムースに運ぶための手段としてのノウハウなのだろうが、納得できないことが多い。

by watari41 | 2015-04-17 12:42 | Comments(0)