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余日録


by watari41

 男は、40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持たなければならないと言ったのは、米国大統領リンカーンである。顔が良くないからと男を不採用にした有名な逸話がある。

 人生経験や、何を考えてきたかなどが自ずと「顔」に表れてくるようだ。巨大教団に属する人たちは、それを母体とする国会議員までもが、皆な似たような「顔」に見えてしかたがないこともあった。学校の先生なども、年配者は誰をみても同じようなタイプの「顔」に見えてしまう。

 大きくいうと、公務員か民間会社員かの区別もつくような気がする。「顔」はその人の全人格を表す場合がある。選挙ポスターの重要性もそこにあるのだろう。

 宮城県の著名な彫刻家である佐藤忠良さんには優れた「顔」のブロンズ作品が多い。県の美術館にも何点か展示してある。「王」選手の顔もあった。ホームランバッターの個性をよく表現していると思う。その人の内面性までをも表すのは難しいことで、超一流芸術家ならではの技だ。

 時には何とも卑しい顔の人に出会うこともある。第一印象は顔で決まる。昔からヒゲをたくわえて威厳をつけてみたり、いろんな工夫があったことも理解できる。

 「カオ」はシンボリックな表現にも使われる。俺の「顔」を潰したとか、「顔」に泥を塗りやがった。何とか「顔」を立ててくれ、どのツラ下げてとかいろんな言い回しがなされる。

 事故でメチャメチャになった顔を火葬までのわずかな期間のために写真どおりに整形する商売まであるようだ。顔は文字通り、人生の最後までその人のカオであり、今や遺影となっていつまでも飾られてしまう。
 口には出さずとも、誰しも無意識に人のカオの評価をしてしまうことがあると思う。
Commented by クオリア at 2005-07-18 09:33 x
かおも含めて身体の小宇宙は経歴によって形作られていくようですね。競争のない公務員と死ぬか食われるかの修羅場を潜り抜けてきた顔と全く違いますね。クオリアの好きな(*^_^*)は殿様や世間で言う偉い人ではなく、ではなく裏方さんたちや一人で名作を作ってきた、本当の「心」と「体」で人生をき生き抜いてきた本当の人間の顔がすきです。公務員はいまだにお役人の心ねが抜けていませんね。最初の出会いで直ぐわかるのですから「人を見下ろすのですから」大企業もそうなのかもしれません
Commented by schmidt at 2005-07-18 20:17 x
 女子バレーの試合をテレビで見ながら「顔」の不思議、面白さを改めて感じています。一瞬のプレーにかける選手たちの表情はとても魅力的です。特に山形出身の高橋みゆき選手の「顔」はアテネを経て一変しました。自信と強い意思を感じさせます。彼女の「顔」がそのときどきの全日本チームの状態を示しているようにも思われます。
Commented by watari41 at 2005-07-19 07:20
 凶悪犯人の顔、長年の労苦が染み込んだしわだらけだが風格のある顔、努力のあとが見える顔、病状を表す顔など、カオはまさに人生の縮図というか、クオリアさんのいうように小宇宙そのものですね。
 スポーツ選手も調子のいいときは、良いカオをしてますね。インタービューを受ける選手を見ながらそんな感じを強くします。そのカオを読み取ってしまう我々も特異な能力を持っているのでしょうね。スポーツを見る楽しみの一つですね。 schmidt さんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2005-07-18 08:19 | Comments(3)