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余日録


by watari41

漫画とアニメ

 今や日本文化を代表するような感のある漫画やアニメである。しかし半世紀前には漫画本は忌み嫌われていた。
 子供が漫画ばかり読んでいるのでバカになってしまうとか、漫画亡国論まがいのことをいわれたことがあった。昭和20年代、小学生の頃だったが「イガグリ君」という柔道漫画に人気があって、誰かが買ってくると回し読みしたものだ。面白かった。
 漫画は次第に市民権を得ていった。「マンガ日本経済入門」が出て、世の中の動きを解りやすく伝えるのはマンガに限るというような確固たる地位を獲得したのだと思う。
 宮城県石巻市では、衰退ぎみの街の活性化策として、多額の費用を投じ巨大な漫画館をつくった。それなりの効果はでているようだ。今や難しいことを何でも漫画化しようというような風潮さえもある。
 
 数年前にテレビで人気のあった「ヒカルの碁」は、囲碁に多少心得のある私などのシニアが見ても面白いものだった。少年少女の囲碁ファンが急増したという。

 アニメも宮崎監督によって新しい境地がどんどん開かれていくようだ。新しい映像文化ができつつあるように思う。

 マンガと似たような経緯を辿ろうとしているものに「ゲーム」がある。かつては親から眼の仇にされていたものである。
 だが今や、これも日本発の文化みたいなものになりつつある。機器やソフトは巨大な産業となった。ゲーム感覚でとか、難しいことをこれまた単純化しようとしている。面倒なことを簡単にしてしまうのは誰にでも分かり易くということではよいのかもしれないが、同時に思考回路の短絡化が起きているような感じがしてならない。
Commented by カメチャン at 2005-07-08 20:45 x
小生はどうしても漫画を読んでしまう。若い人はあつい漫画の本をアットいう間に読み終える。読むというのとは違って、パラパラとめくりながら眺めている感じですね。この違いは何だろう。源氏物語を漫画で読んだことがありますが、確しかにおもしろいですね。でもジャンプなんかを読む気には絶対になれない。思考回路が短絡的になってもかまわないのではないでしょうか。この種の新旧世代の文化的葛藤はいつの世でもあるもの。あまり気にしないことだと思う。
Commented by watari41 at 2005-07-09 07:11
 ビジュアルというのでしょうか、漫画は見た瞬間に多くの情報が一瞬にして、目に飛び込んできますよね。対して文字からの情報は、頭で判断するというワンステップが入って面倒ですね。
 源氏物語は、瀬戸内寂聴さんの現代版で読んでも、ものすごく大変ですけど、漫画でみるとあっという間ですね。
 活字文化から映像文化への転換点も過ぎているのでしょうが、文字を追っていく過程である種の想像が働きますよね。
 ビジュアルでの思考回路の短絡とはそんなことを言ったつもりなのですが、古いですかね。
 カメチャン、コメントをありがとうございました。
by watari41 | 2005-07-08 07:05 | Comments(2)