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余日録


by watari41

神々の国

 日本中、どこに行っても沢山の「神社」がある。大きな神社から小さな祠まで、どうしてこんなに神社が多いのだろうとか思うことがある。

 古来、人の生活になくてはならないもの、役に立つもの、ありがたいものを奉ったのが神様の起源らしい。太陽信仰が人類にとっては最初の神様だったのであろう。そのうちに古代の人間は石器に代わる「金属」のありがたさを尊び、日本には金属を祭った神様が意外に多いのだという。
 偉人がそのまま神様になってしまうこともある。なかには「ヤマノカミサマ」を奉るご主人もいる。かつては、どんな家でもいろんな神様がいた。家の中には神棚がある、そこには天照大神が祭られている。我が家では外に明神様がある。そして井戸のあったところに水神様の小さな祠があり、道祖神もあって今や朽ち果てようとしているが立派な御神体がチンザしている。

 正月には生活上使用している各部屋にシメナワを飾り、最近は少なくなったものの自動車にもシメカザリをつけて走る方がいる。日常役に立つものを神様扱いにする名残りなのだろうと思う。

 日本は神々の国であると発言しヒンシュクをかったのは前首相だったが、こんなことをみていくとあながち的外れなことでもない。
 宮城県志津川町に行ったときに、ここにもかつては多くの神社があったのだろうが、それらをまとめて湾内の小さな島に合祀したという、そのまとまった神社を数年前に見たことがあった。

 これからは、日本の八百万の神々も徐々に集合されていくのだろうと思う。地域の伝統行事というのは神様に由来することが多いが、現代人にはこれまでの神様の概念が消えつつあるのもたしかなことのようだ。
 21世紀のこれからは神様のことなども過去との断絶がより一層鮮明になるのだろうと思う。
by watari41 | 2005-07-04 19:55 | Comments(0)