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余日録


by watari41

ニッカウヰスキー(後)

 今にして思うと豊さの象徴みたいなものが、ウイスキーだったのだろう。
 トリスを飲んでハワイに行こう、などという文句に踊らされて酔っぱらていたものである。焼酎などは貧乏くさい、ウイスキーはハイカラだというわけである。
 しかし本物のウイスキーはどういうものかを知らないわけだから、いい気になっていたものである。その時代、スコッチはべらぼうに高かった。田中角栄首相が全盛の頃、パーティの土産に出席者全員にジョニ黒を配っていたということに驚いた。当時の価格で8千円だと記憶している。為替が安く、関税がべらぼうに高かったからであろう。

 海外出張の帰りには当然のことながら、免税店でウイスキーを3本買うのが常識とされた時代が懐かしい。シーバスリーガル、オールドパーなどが人気だった。

 ニッカの竹鶴さんは、どうしても日本で本物を作りたかったのである。サントリーでその夢はかなえられず、自分で会社を興す他はなかった。サントリーにはお世話になっているので、それを見返すなどという考えはさらさらなかったようだ。本物にあくまでこだわった人なので見事というしかない。
我ら凡人は適当なところで妥協して生きている。

 宮城県のニッカ工場も、半世紀が経過する。構内の木々の幹が黒くなっているのが印象的である。酵母菌などの影響であろうか。
 昭和60年頃だったが、偶然にもサントリー山崎工場を見る機会があった。ニッカの工場とは異なる印象を受けたのだが、気のせいなのだろうか。洗練されすぎた工場というような感じだった。

 今年のボジョレヌーボーも発売された。これまた宣伝を飲んでいるようなものだそうである。私などにはワインの判別はつかない。大方の日本人は一桁ていどの価格の差異では味の区分はできないようだ。ウイスキーはハイカラ、ワインはオシャレ。しかし今や健康志向で焼酎となるのだからアルコールの変遷を読むのは難しい。

Commented by ようこ at 2014-11-20 19:33 x
サントリー山崎工場とニッカの宮城の工場とは、違った印象でしたか。成分や製法にも違いがあるのでしょうか?
ニッカの工場は、木の幹が酵母で真っ黒になっていたことと赤レンガが印象的でした。

かつて海外旅行のお土産だったオールドパーやシーバスリーガルも、日本で買える金額になりました。
忘れていたことを思い出させていただきました。
「マッサン」楽しく見ています。
パチパチ拍手。
Commented by watari41 at 2014-11-21 10:43
工場の印象は、先入観念で見ている場合もありますので、私の感覚が正常なものかどうかもわかりません。
味だけなら、現代はどうにでもできるようですね。バナナとか抹茶味とか、そんなものにもゴマカサレテいるんですね。
ようこさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2014-11-20 09:15 | Comments(2)