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余日録


by watari41

危険と安全

 50才近くになってから自動車運転免許をとった。その時に老教官が近づいてきて曰く。一番安全なことを教えましょうという。
 それは「乗らないことなのです」と言うのだ。ウーンと唸ってしまった。
 さらに曰く。免許を得ると「物凄く幸福になる」か、逆に「事故などで不幸になるか」の二者択一だという。中間はあり得ないのだと。
 たしかにそうだと思う。どこに行くにも自動車は便利だ。スピードを出すと壮快である。良い時代に生きていると思うが、事故を起こしてしまえば悲劇だ。

 世の中で安全なものというのは得てして面白くないものだ。現代文明の特徴はスピードでもある。だが、これは危険との隣り合わせでもある。列車事故、航空機事故、これらの確率は非常に少ないことながらゼロではない。何事もなければ空の旅はこれほど快適なことはない。

 食物にも同様なことがある。ふぐの肝はこの世のものとは思えないほどに美味しいのだという。ただ、これを口にするのは命がけである。安全な食べ物ではない。何十年か前にこれを食べて中毒死した有名な役者がいた。第三者はバカなことをしたものだというが、一度口にしたことのある人は命をかけるほどのものだったのであろう。

 危険なことをせずにジットしていれば安全なのだろうが、現代社会はそうもいかない。いろんな誘惑もある。
 現代ならではの快感と便利さを味わい、なおかつ安全を求める。人間は欲張りだが、これがまた進歩につながっていくのだろう。
Commented by yamakawa at 2005-05-27 23:22 x
安全と危険、watariさんのおっしゃる通りかも知れませんね。私も過去に何回か運転免許を取ろうと申込書をもらってきたことがあります。でも最終的には家族の反対にあい断念しました。あの時とっていればとおもうこともありますが、方向オンチと運動神経の鈍さからやはり反対されてよかったのかなと事故のニュースを聞くたびに思います。
Commented by watari41 at 2005-05-28 09:49 x
 運転適性検査でも少し怪しい点数だったので、教官は余計に心配したみたいです。免許を取得して十数年間、人身事故は起こさなかったものの、ぶっつけたり何だりと、しょっちゅうトラブルを起こすたびにこの話を思い起こします。yamakawaさんコメントをありがとうございました。
Commented by クオリア at 2005-05-31 06:20 x
毎日悲惨な事故のニュースそして繰り返される後手後手の対策またそれを乗り越えた事故・・・ウイルス対策も同じ現象・・自分が対策をたてるしかないのですね 私もその一つ運転免許証返上します。大きな決断でしたが 交通事故の確率が減るのかどうかわかりませぬが 環境に寄与するのかとも思ったり 快適な世と思って人間が開発してきた技術は人間に大きなしっぺ返しを与え始めてきたのでしょうか。
Commented by watari41 at 2005-05-31 10:52 x
 クオリアさん、免許を返上されますか。大きな決断ですね。先日の新聞に地球環境を守るというのは不遜ないいかたで、人間の住める環境を維持していくのだと表現すべきだとありました。たしかに自分自身のことなのですね。
 私のメールが先日来おかしくなってしまいまして、OFF会の御礼も申し上げずにおりました。この欄をお借りしてというのもおかしいのですが、いろいろとお世話になりました。
by watari41 | 2005-05-27 21:03 | Comments(4)