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余日録


by watari41

名前を食ってる

 先日、秋保温泉の一流ホテルで、宴会料理の最後に「はらこ飯」が出てきた。
 なかなかやるわいと思っていたところ、これがとんでもない代物だった。私の生涯で、これほどに不味い「はらこ飯」を食べたことはない。何ですか、これは、と残してしまった。しかし、食べたことの無い人は、これが有名な「はらこ飯」というものですかと口に運んでいる。この飯の発祥地元である私には何とも許せないが、格安料金でもあったので、仕方がないかと腹にしまいこんだ。出席者には、これが「はらこ飯」だと思ったら大間違いだとは言っておいた。

 食品偽装も我々は結局、「名前を食べている」からである。
 黒毛和牛だとか、○○地鶏、・・・、名前を食っているに他ならない。
 しかし、あまりに不味いものだと、文句も言いたくなる。
 東京にいた頃に、ある食堂でカレイの煮魚定食を注文した。身がモサモサしている。これは魚なのかと思った。ひどいものを食わせているものだ。隣の席にいたオバチャン2人が、お互いに顔を見合わせている。何度か冷・解凍を繰り返しのだろう。店主が申し訳なさそうにこちらを見ていたことがあった。ダメ押しまではしないできた。

 仙台の居酒屋でのことだった。同輩と飲んでいた時に、ホヤが出された。勘定を払う段になって、少し高かった。生きのいいものなのでということだったが、同輩はオレは石巻の出身だよ。こんなホヤを、よくもこんな値段でとねじ込んだ。店では恐れ入りましたと半額にしてくれたのだ。私にはホヤの状態などよくはわからなかった。この男も震災前に70そこそこで亡くなってしまった。

 ステーキの中味がどうのこうのと言われているが、私は旨い物であれば、つなぎ合わせの肉だろうがなんだろうがかまわないと思っている。

 カレイの話ではないが、ピンからキリまである。地元漁港に上がったばかりのものを食べたことがある。体験した人にしかわからない味である。

 名前に騙されるのは、食い物だけではない。メーカー品だなというのもそんなことなのだろう。販売戦略に乗せられている。ブランド品を持っていることを誇り、そんなものを食していることをことを自慢している方が悪いのだろう。


Commented by ようこ at 2014-03-05 21:28 x
「はらこ飯」大好きです。家で作ったのが一番おいしく感じます。
(手前ミソ)。
最近の話:評判の良いレストランへ午後1時に着いたら、もう材料がなくて、閉店。しかたなく、そのレストランの近くのお店で食べたら、普通の値段なのに、どうやってこんなにまずく作れるんだろうと思うような料理を食べました。古くから開いているお店の感じでしたが、おいしく作る工夫をしたらいいのに・・・・・。
まずいものを食べると、不満がけっこう後までひきますね。
Commented by watari at 2014-03-06 20:23 x
食い物のうらみは残りますね。
旨いも不味いも、栄養的には同じなのでしょうね。
味とは、不思議なものだと思います。
「美食家で知られる・・」などということを聞きますが、誰しも美味しいものだと思って食べているんですよね。ようこさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2014-03-02 11:48 | Comments(2)