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余日録


by watari41

被災者の一側面

 立ち聞きをするつもりなどはなかったのだが、四十代の男が話していた。この家族は人的被害がなくて、みなし仮設のアパートに住んでいるのだろう。「大変なことは大変なんだが、精神的には大いに楽になったところがある」。オヤと思いながら続きを聞くと、「隣・近所を気にすることがなくなったからだ」と言うのである。私は、ナルホドとうなずいた。
 かつて、50年ほど前まではこの街中でも、家のことはあまねく隣近所に知られていることは珍しくなかったからである。周辺の家のことも同様である。あそこの娘は、どこそこに嫁にいって、その家はどうたらこうたらと。プライバシーもヘチマも無かったのである。
 さすがに、この辺りではそんなことはなくなったが、浜通り一帯には、まだまだまかり通っていた話なのである。私などの年代だと何とも思わないのだが、現代人にはとても通用することではないようだ。
 その男は、そんな悩みを持ちながらも親と一緒に暮らしていたようなのである。「両親はとても寂しがっている」という話もあった。私は長居は無用と早々に立ち去った。被災者の一側面であることは確かである。

 READYFOR?
 少し前に、このブログで紹介したことがあった。想いや行動力があっても資金が無いという方々は沢山いる。そんな方々のためにと、インターネットによる寄付金集めのシステムが作られているのである。これを作ったのが米良さんという若い女性だ。クラウドファンティングである。期日までに満額が集まらないと決済できないシステムなのだそうである。
 我々年代の者には驚くべきことであるが、日本人の寄付嫌いの性質がどこまで西欧に近づくのか、見守っている。
 ここに紹介するのは我が町の学生である。私など及ばずながらも貧者の一灯をささげている。
Commented by Schmidt at 2013-10-06 09:55 x
Ready For!はわたしも少額ですが、利用したことがあります。まだまだどうなるかは見通せませんが、アイデアですよね。
Commented by watari41 at 2013-10-06 14:31
ネット時代の可能性を探る試みですね。習慣・文化のようなものまで変えて行く力があるのかどうか。時間はかかるかもしれませんが期待していることです。Schmidtさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2013-10-05 20:59 | Comments(2)