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余日録


by watari41

大組織の変革

 昭和40年頃の国鉄総裁だった「石田礼助」さんの生涯をえがいた、城山三郎さんの「粗にして野だが卑ではない」を読んだ。
 痛快な人で、民間の経験を生かして国鉄改革をやろうとしたが、「お飾り」にされてしまったようだ。外部に対して言いたいことをいっていたので、人気はあったのだが、内部の人たちはそれをいいことに自分達への風当たりを防いだようだ。

 国鉄は結局のところ何ら変るものはなく、石田さんが辞めてから、分割民営化へと追い込まれていった。大組織でかつ官の場合には、トップのいうことが組織の理に合わない場合にはスポイルされてしまうことが多い。
 郵政改革も、それこそトップ中のトップである首相がいくら音頭をとっても意図した通りには進まない。組織が変るのは、ニッチもサッチもゆかなくなってからだ。こうなると外部からの大きな力が加わざるを得なくなる。

 日本航空のトラブルが続いている。民間会社であるとはいえ、国策会社の余韻を引きずっているようだ。かつて、昔の国鉄が種々の信じ難いような、、ミスを連発していたころ、私鉄ではそんなことは一件も起こってはいなかったことがある。どうして国鉄だけがと思ったものだ。それが現在、なぜJALだけにと思ってしまう。ANAには何も起こってはいない。大事故に至らなければと思う。
 小さなミスが大きな事故へとつながることが多い。できれば日航には乗りたくないという人が増えてきた。客離れが進んでしまう。合理化との悪循環が始まることになってしまう。何事もないことを祈りたい。

 組織に染み込んだ長年の習慣を覆すのは容易ではない。一人一人の考え方や行動がそのようになってしまうので根本的変革には時間がかかる。

 日産の成功はゴーンさんによるものといわれるが、組織全体としてやるべきことは以前から分かっていたように思う。ただ日本人社長では過去のしがらみがあって実行できなかったものを、ゴーンさんがやったものだと解釈している。
by watari41 | 2005-04-03 18:28 | Comments(0)