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余日録


by watari41

東北のビーナス

東北のビーナス_a0021554_17344759.png 20年前に山形県の高速道路工事で発見され、昨25年に国宝に指定された4500年前の土偶である。ピラミッド建造と同じころの時代である。ミロのビーナスはこれより2000年後に作られる。
 日本でも当時の土偶といえば、ズングリムックリ型のものが殆どである。豊穣を祈ったからでもあろう。写真の如き現代感覚にも通じるものは初めての出土なのだ。顔はノッペラ棒だが、そんなデザイン感覚もすばらしい。発見当時より注目されていたが、先日NHK東北ローカルで詳しく紹介されていた。

 東北の縄文文化は、青森県八戸を中心として宮城県北部一帯あたりまでに存在している。時代が下がってアテルイが朝廷に対して頑強に抵抗していたのも、大いなる違和感を持っていたからにちがいない。
 平泉藤原氏が独自の文化で東北を限定支配したのも、そんな流れの中からのものだと考えている。

 人間の芸術的センスは昔も今も、そんなには変化していないようだ。フランスのアルタミラ洞窟では一万五千年前の躍動する動物たちが見事である。しかし皆が優れた芸術家ではなく、現代の私の如きヘタクソだっていたにちがいない。

 現代のデザイナーもアイディアに困ると、古代の衣装が残る東南アジアの山岳民族を訪ね歩くという様子を松本清張の「熱い絹」で読んだ。

 縄文時代の生活をしていた作者に、よくぞこんなデフォルメされたセンスがあったものだと感嘆せざるを得ない。天啓の如きものがあったのだろうか。安定感も抜群であり、美の極致とも言われる黄金比率を自ら会得したのであろう。4500年前にいた一人の天才芸術家を想像している。
Commented by ようこ at 2013-07-18 18:28 x
東北のビーナス、いいタイトルをつけられましたね。
私もこの番組を見ました。
美しい土偶ですね。現代の芸術品と比べても見劣りしません。
どんな暮らしと文化があったのでしょうか、興味をひきますね。
Commented by watari41 at 2013-07-18 21:46 x
縄文時代のこと、新たな発見が次々と出てますね。
現代人も参考にすべきようなことがありそうですね。
貝塚の末裔がどうなっているのか興味があります。
ようこさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2013-07-13 18:17 | Comments(2)