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余日録


by watari41

オスプレイの科学

 戦争の道具なので物騒なことは言うまでもない。しかし平時訓練の危険性がこれほどまでに問題となったこともかつてないことである。
 垂直に飛び上がり、大量の物資を運べ、かつ速度も早くという欲張りすぎた航空機である。
 昔の一流技術者は、機械を製造する時に設計図面を見ただけでダメ出しをしていたが、これもそういうたぐいのものだろうと思っている。飛んでいる映像を見ていると、決して美しい機体ではない。昔の複葉機を思い起こす。下からみると「ふぐ」が腹を膨らませたような格好である。
 今も昔も空を飛ぶのは難しい。垂直に飛び上がるには重量に匹敵する空気を羽根の力で押し下げなければならない。
 ヘリコプターには大きな羽根がある。これが回転すると凄い風が巻き起こる。飛んでる姿は安定しているかのようであるが数年前には頻繁に事故が起きていたのは記憶に新しい。これからも起きない保証はない。

 もう60年以上も前になるが、小学校の校庭にヘリコプターが降り立ったことがある。はっきりした記憶ではないのだが、1951年のサンフランシスコ平和条約を記念して、主な小学校を訪問して男女一人づつを乗せて15分ほど飛行するというものだった。
 選ばれて搭乗する同級生をうらやましく見ていた。当時は危ないなどという概念よりも空を飛ぶことの魅力が上回っていたことを回想している。

 オスプレイは気流の安定したギリギリの条件のところで飛行しているのだろうと考えるしかない。これまでの事故は殆ど操縦ミスとして片付けられているが、やっかいな航空機であることは多くの人が直感しているはずだ。

 これまで軍事技術の革新は、平和時においてインターネットとかGPSなど生活の利便性を向上させるのに大いに役立ってきた。しかしオスプレイは、過去の技術の組み合わせでしかないようだ。単純に物理的なことの革新的技術開発は難しいことなのかもしれない。

 基地が置かれる沖縄はもちろんのことだが、訓練ルートに宮城県を縦断するコースもある。単純な飛行だけでは訓練にならない。どんな訓練があるのだろうか。地表近くの天候は不安定である。
 不時着用にゴルフ場グリーンだとか、牧場だとか、そんなところをできるだけ数多く確保するほか、当面の手立てはないのであろう。幸いに滑走路をほとんど必要としない利点がある。
  何とも非科学的な話になってしまったことをお許し願いたい。
Commented by schmidt at 2012-10-03 17:16 x
 すべてがおかしくなっています。まともなかじ取りできるリーダーはいないんでしょうか。
Commented by watari41 at 2012-10-06 10:49 x
 日本国がオスプレイみたいなものですね。あっちの風。こっちの風に煽られてフラフラしながら、野田さんは必死で操縦桿を握っているのでしょうが、いつ墜落するかわからない何ともおかしな飛行状態です。
 国民からみてもそうですが、他国からみたら、それこそおかしなものが飛んでいるということになるでしょうね。しかし選んだのは我々なんですね。schmidtさんコメントをありがとうございます。
Commented by たぁ丸 at 2012-11-03 22:19 x
非科学的?
とんでもない!
相変わらずの技術者らしい堅実なご意見に感服する次第です。
m(_ _)m
Commented by watari41 at 2012-11-04 10:48
しばらくぶりです。たぁ丸さん。もはやオールドエンジニアにて、最近のデジタル技術など、チンプンカンプンです。コメントをありがとうございます。
by watari41 | 2012-09-30 15:47 | Comments(4)