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余日録


by watari41

年金生活者

 地元新聞社・その販売店が編集し無料で配布している「WISDOM」(ウイズダム)という30頁ほどの小冊子がある。その特集記事に「15万円の年金で楽しく暮らす方法」というのがあった。余計なお世話だと思いながら読み始めたがしかし現実はこれに近い。

 「節約する前に、まずプランを練ろう」というご教示である。そのプランとは年金収入の10%である1.5万円を不時の支出に備えて特別積立金としなさいというのである。お説ごもっともなことである。
 最大の支出は、食費で3万円、次いで電気・ガス・水道・電話・新聞などの固定費で2万円。同額で社会保険料が必要である。交際費が一万円。同額で医療費、夫と妻それぞれの小遣い。レジャー費用に5千円。同額で教養娯楽費、被服費、日用品、雑費がある。これらを合計すると15万円となる。

 ありがたいプランを提示していただいたが、果たししてこれで楽しい生活が可能だろうか?

 固定資産税・年払い保険料・自動車税、車検などは合計で年間30万円とみて、過去の貯金から取り崩したらいかがでしょうかというものである。これまたごもっともなお話である。
 預金を取り崩したくなかったら、節約をさらに徹底したらどうでしょうかというものだ。預金というのもあるようでないものだ。私の通帳のひとつは、週刊誌が伝える小林幸子さんの金額でしかない。

 食費だってギリギリであろう。20年以上も前だったが、我が家の家計が最も苦しい時があった。3人の子供がそれぞれに学生だった。内2人は遠方の大学、加えて私の単身赴任が加わった。5人家族が4世帯になった。なんともならず亡くなった妻は借金で凌いだ。我々も努力すべく、3人が偶然にもそれぞれに本屋で手に取っていたのが、なんと月に一万円の食費で生活する方法という本だったことを回想している。内容は干物を中心としたものだった。水に浸すだけで食べられる。

 楽しくないなどと言っていられなかったのである。個人レベルでは我慢に我慢を重ねるが、国のレベルでは我慢できなくなる。国家予算でも同様に無理に無理をしなければならないはずだが、そのようなシステムにはなっていない。
 40兆円の歳入しかないのなら、苦しくともその範囲内で支出予算を組むべきなのだが、何十年も借金を繰り返し積み上がっている。個人ではそうはゆかず退職金でこれを支払い精算するのである。
 国家の一括支払いは超インフレに頼るしかないとも言われているが。そうなんだろうか。
Commented by ようこ at 2012-08-23 18:36 x
冊子「15万円の年金で楽しく暮らす方法」をもらいに行こうかと思いましたが、簡潔に紹介していただいたので、必要ないようです。
来年から、完璧に年金だけの暮らしになります。
無駄を削るために、家計簿をつけようと、毎月レシートをためておりますが、ひと月つけただけで、何か月ものレシートがたまっています。
来年は、ビックリするような健康保険料と税金で、貯金をドバドバ威勢よく降ろします。
我が家には冊子でお勉強する前に、するべきことがあります。
Commented by watari41 at 2012-08-23 19:53 x
 生活のサイズを小さくするというのは、ものすごく難しいことなんです。昔ならほとんど必要としなかった光熱費などの固定費があるんですね。車だって、だんだんと歩けなくなる我々田舎者には生活必需品なんです。今更子供の時のように杉の枯葉を拾ってきて、カマドというようなわけにはゆきません。
 楽しくないようなことが沢山待っているような気がしてます。ようこさんコメントをありがとうございます。
Commented by schmidt at 2012-08-28 13:32 x
いずれ年金制度が崩壊するといわれますが、それだけではとても生活できないという意味で、すでに崩壊している。それが実感です。何も頼らずに生きていけるようにしないといけません。気づいたときにはすでに遅いのですが。
Commented by 日本力 at 2012-10-23 22:19 x
 日立金属が開発した新型工具鋼 SLD-MAGIC(S-MAGIC)は微量な有機物の表面吸着により、金属では不可能といわれていた自己潤滑性能を実現した。この有機物の種類は広範囲で生物系から鉱物油に至る広い範囲で駆動するトライボケミカル反応であると。潤滑機械の設計思想を根本から変える革命というものもある。
 このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。
Commented by watari41 at 2012-10-24 09:29 x
無給油ベアリングというのは聞いたことがありますが(ポーラスな焼結金属に油を含ませたものですね)、有機物での自己潤滑ですか。私は無機物のことしか知りませんが、たいした技術開発がなされたものですね。かねてから日立金属の開発力には経緯を表してましたが、すばらしいことです。日本の力さんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2012-08-22 20:48 | Comments(5)