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余日録


by watari41

官と民

 年金を扱う社会保険庁で組織ぐるみの不正行為が明らかになったが、関係者の処分は軽微なようだ。前々から、この役所には数々の問題点が指摘されていた。解体論まで、でているがここに勤務する人は公務員なので、組織がどうなろうとも個人の給料や身分は保証されているのだと思う。

 ひるがえって、民間会社で不正行為がおこなわれるとどうなるかは三菱自動車の例で明かだ。商品は売れなくなり、企業は存亡の淵にたたされる。従業員のボーナスは極端に少なくなり給与は減額される。会社の末端にいて、その不正とは何らの係わり合いがなくとも塗炭の苦しみを味わされる。官庁勤務と民間会社に勤めるとでは歴然たる差異がある。

 社会保険庁は一種のサービス機関でもあるはずだが、昼休みはきちんと休む。時間から時間までしか応対してくれない。
 昔の国鉄でこんなことがあった。満員の乗客を乗せた仙石線で石巻から時刻になっても発車しないので不思議に思っていたところ、やがて構内放送があり運転手がこれから食事なので食べ終ったら発車するとのアナウンスに唖然としたとの新聞記事を思いだした。公的機関に勤務しているにも係らず自分の都合を優先できたのである。JRになってそんなことはなくなったのだと思う。

 昔、雇用促進事業団という役所があった。時代の変化でその役目を終えた時に、本来なら解散すべきものが名前を変えて、雇用能力開発機構としてそのまま生き残った。私は退職してハローワーク通いをしていたときに変な組織があるものだという印象をもったが、前記のような経緯をたどった役所だと聞いて改めて官と民の差異を思い知ったことがあった。
Commented by schmidt at 2005-01-17 00:34 x
 雇用能力開発機構の仕事で実にひどい事例があります。企業の従業員のスキルアップ向けのプログラムがあり、企業に呼び掛けて参加者を募集します。費用は全額国費で持つようで、企業や従業員の負担はありません。企業の人事担当者が社内で希望を募って、同機構に申請するのですが、一つの講座で5人受講生が集まらないと中止になるんですね。たった5人なので中止ということはないだろうと思っていたら、実際は中止の連発です。もっと募集に力を入れたらいいじゃないかと、普通なら思いませんか?企業に募集の要項を送り、5人以上集まったら開講するが、あとはどうでもいいんでしょうね。せっかくその気になって応募した社員の落胆は大きいし、こうした半分お役所(というよりも今の役所はもう少しましかもしれない)への不信感は募るばかりです。
 要するに同機構で働いている人は、自分が担当する仕事がどうなろうとかまわないんでしょう。講座を成立させる熱意もないのに、給料だけは一人前にもらうわけですよね。とても信じられない。腹が立って仕方がありません。
Commented by watari41 at 2005-01-17 09:02 x
 今の世の中で一般的なスキルアップを呼びかけたところで、応ずる企業などはほとんどないと思いますね。必要なら自分でお金を出してもやるのだと思います。どんなスキルアップの需要があるのかもわからずにやっているのでしょうね。
 普通なら何故、人が集まらないのかを分析するのでしょうが、役所では企画をした、結果はこうでしたで終わりになるのでしょうね。
 長年、役所勤務をするとこういうことが当たり前になるのでしょうか。

 先日こんなことがありました。わが町の人たちとNPOの説明を聞きに行ったときに、NPO実績として地域の学校との間にこんな交換もされていますとの項目を記載した一覧があったのですが、驚いたことに学校では、その内容をいっさい掴んではいないのだというのです。これは学校では時間を提供したということが重要なので、項目さえきちんとしていれば、その中味は問題ではないというような考えのような気がして、ガクゼンとしたものでした。
 schmidt さん、コメントをいただきありがとうございました。
Commented by schmidt at 2005-01-17 15:59 x
 学校現場にどれだけ責任があるか分かりませんが、今の教育行政の方針として「ボランティア」を「奉仕」と訳す決定がなされました。なぜ奉り仕える「奉仕」なのかといえば、一人ひとりの発意で自由に行う「ボランティア」では教育になじまない。教育である限り全員参加でなければならないということのようです。こうした感覚で、例えば単位をやったり、授業の実績としてカウントしようというのだから、もう救いようがありません。ましてNPOの意義とか、目指すべき方向について、だれも把握していないのは当然のような気がします。お先真っ暗です。
Commented by watari41 at 2005-01-17 20:02 x
 地域の団体が学校に奉仕をしようとしているのだから、その場を提供すればそれで終わりだという考えですね。
 教育とは画ー性を持ったもの、文部省指針に沿ったものであるということなのでしょうね。そのこと以外には関心をもっていないみたいですね。
 奉仕という日本語は、どうも現代感覚になじまないような気がしてなりません。昔の日本にはそういうことがピタリと当てはまる事例があったのでしょうが、今にあう新しい言葉というか表現が必要なのだと思います。
 schmidt さん再度のコメントをありがとうございます。
Commented by mitio-oohira at 2005-01-18 06:52 x
学校とお役所(いまでも"お"つけで呼ばれるように サービスが悪いですね この仕事をしてきてシニアになると 混乱させる人になるのではないでしょうか
Commented by watari41 at 2005-01-18 07:43 x
 公僕という言葉は古くなってしまいましたが、サービスをするのではなくて、サービスを受けるものと勘違いしてしまった人などもいるようで、シニアになっても権威をひけらかす方がおりますね。
mitio-oohira さんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2005-01-16 16:37 | Comments(6)