人気ブログランキング | 話題のタグを見る

余日録


by watari41

死亡通知

 亡くなった本人から自筆の死亡通知がきたらさぞかし驚くであろう。
 実際にそんなことをやった人がいたのである。ネット記事にあった。
 小林克己さんという方である。巳年生まれなのであろう82歳の方だった。郵便を受け取ったのは読売新聞会長渡辺さんとか現代の著名人数百人である。私は小林さんという方を初めて聞いたが、死亡通知に書いてあるお別れの言葉を読むと100%共感できた。私もこんなことをやりたかったのだが先を越された。

 弔意はいらない。自分が生きてこれたのは皆様方のお蔭である。
 一個の生命体が終わり、灰となったのだけだ。葬送なども必要ない。

 何とも爽やかなことだ。もちろん本人が生前に書いておいたものである。死亡後に親族が死亡年月日と、入院先などを記して郵送されたものだそうである。
 私は、数知れない葬儀に参列しているが、その都度何ともむなしいものを感じている。こういう儀式は早晩無くなるにちがいないと思っているのである。ただ、葬送を職業としているお坊さんからみると困ることになってしまう。真面目な坊さんは、亡くなった人を弔うのが自分の使命であるとして、今次大震災においても真剣に取り組んでおられる和尚さんもたくさんいることもこれまた事実である。

 私などのように中途半端な物理的知識を持っていると、死亡の意味などは何も無いことで、上記の小林さん同様の思いにしかならない。
 宗教を学ぶことと、信じることとでは全く異なる。見かけ上は、檀徒であるお寺の仏教徒なのであるが、信者であるかというときわめて怪しいことになる。
 霊界の存在とかも、現代ではすべてが脳のなせる業であると解明が進みつつある。

 しかし、長年の習慣は一朝一夕には改めることが難しい。ましてや田舎においてはなおさらの感がある。バカバカしいことだと思いながらの行事はたくさんある。しかし急激に現代社会で失われてしまった行事も数多い。子供の頃の棟上げ時の餅まきとかも回想している、最近までは見かけることがあったが、やがて消滅するのだろう。それぞれに言われはあるのだが、形式的になり、やがては無くなってしまうものが多くある。
 生前に遺言とはまた別な意味での死亡通知を書いておくことが一般化するのかもしれない。
 ご参考までに小林さんのことが書いてあるURLを記しておきます。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120331/stt12033112010002-n1.htm
Commented by クオリア at 2012-04-17 20:22 x
まったく同感です!!

家に時々葬儀屋さんが勧誘に来ます。
もう寿命の尽きた人をデーターベースに
入れているのでしょうね。
丁重にお断りしています。
生死は区別しないので私は葬儀なしと
Commented by ようこ at 2012-04-17 21:55 x
お世話になった方々へ、自筆の死亡通知を書いてみたいと思っていても、日常の雑事に追われて、果たせそうにありません。
お世話をしなければならない人がまだいるので、当分先の話のようです。
Commented by watari41 at 2012-04-17 22:04 x
生の延長に当然に死があり、儀式はムダなことだと思う感覚が年と共に強くなってきておりますが、実際問題としては田舎ではクリアーすべき難問もたくさんあります。生死は同義なりと道元禅師は喝破しておられますが、科学万能の時代ながらしがらみは如何とも仕方なく、もう少し時間がかかるでしょうか。クオリアさんコメントをありがとうございます。
Commented by watari41 at 2012-04-17 22:12 x
まだ10年早いよというのが、ようこさんの実情なのでしょうね。ご両親の存命に全力を尽くしてください。それからジックリと考えてください。コメントをありがとうございます。
Commented by schmidt at 2012-04-19 11:47 x
>見かけ上は、檀徒であるお寺の仏教徒なのであるが、信者であるかというときわめて怪しいことになる。
 
 本当にそうですね。わたしは世間的に言うと「長男」なので、自分とはかかわりないころで、いろんなしがらみを感じます。何とかしたいのですが・・。
Commented by watari41 at 2012-04-19 20:43 x
 しがらみを楽しむ余裕も必要なのかもしれないですね。しがらみで行動していることが多いのですが、いちいちストレスを感じてしまうと、解決策は死しかなくなってしまいますので、心底では、このバカヤローと思っていることもあるのです。寝言に出ていたこともあったとか・・。schmidtさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2012-04-16 12:22 | Comments(6)