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余日録


by watari41

数字のあれこれ(3)

 天気予報で気圧を表すのに「ヘクトパスカル」という言葉が出てきたときには、何となく違和感があったが数字は前と変っていないのでだんだんと慣れてきた。いろんな物理現象を表す単位はよく変る。
 明治以降、工業の分野では「C・G・S単位系」が使われてきた。これが「M・K・S単位系」に、さらには国際規格である「SI単位系」へと統合された。この半世紀の間、私が在職の頃も単位の変更にはずいぶんと悩まされたものだ。

 私が関係していた、磁気の量、磁気の強さなども,教科書ではM・K・S系を学んだが、実業界で使われていたのはまだC・G・S系であった。10年もするとこれに慣れ親しんでしまった。しかしこれを国際基準に直す必要があるといわれだした。
 人間というのは非常に保守的なところがある。変更を審議するときに年配のこの道の権威者といわれる人がC・G・S系に頑強にこだわった。見かけ上はM・K・S系だが、実質は従来とあまり変らないものを苦心して作り上げたことがあった。よくいわれる玉虫色の決着である。面白い単位の表現があったりしたが、何年か後の改定時にそれは直された。

 今もとまどっているのは、米の生産量のことである。テレビなどの報道では昔から「何万トン」という表現をしている。だが農家レベルでは、今だに一反歩当たり何俵を収穫できたかの話になっており、頭の中でこの話をつなげるのにいつも一苦労する。子供の頃に手伝った農業の記憶から、田の面積と米の量が俵でインプットされてしまっている。
 北朝鮮に援助される12万トンとは、いったいいくらの田んぼから収穫される米なのだろうかと、いちいち計算してしまっている。
by watari41 | 2004-12-21 13:50 | Comments(0)