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余日録


by watari41

土地神話

 昔から土地は手放すものではないと言われてきた。だが、その流動性のなさが日本経済の病根の一つであるともされてきたのだ。それを打破するために10年ほど前に「定期借地権制度」というのができた。土地の50年間貸借が法制化されたのである。
 日本では定着しないだろうともいわれた。自分の土地にこだわる国民性からも個人レベルでの土地の賃貸というのはなじまいと思われ、事実、数年間はあまり目だった動きはなかった。だが、ここにきて都会ではあまり土地所有にこだわる人が少なくなり、借りるほうも安い価格で使用できることから人気が出てきたようだ。
 デフレ傾向など時代の動きもこれに拍車をかけたようだ。価値観がめまぐるしく変っていくのが自由経済の特徴でもある。

 社会主義国だと土地は国のものである。中国に工場を建設した時に係ったが土地を50年間契約で借りるのである。当初は不思議な感じを持ったが、やがて日本でも借地権という似たような制度ができて、土地の利用というのは所有権とは離れたところで考えられるべきものだと思ったものである。

 企業もかつては、本業の他に工場敷地の値上がりが期待されており、土地の含み益が経営の大きな支えになっていたことがあった。デノミの功罪はいろいろあったようだが、土地も値下がりするものだと認識させたのが、長期的にはプラスになったのだと思う。土地神話も徐々に崩壊していくことだろうと思う。
by watari41 | 2004-12-11 09:16 | Comments(0)