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余日録


by watari41

光にまつわること

 昔の白熱電球は熱に電力の大部分を取られ、明るくするための電気エネルギーはいくらも使われていなかった。蛍光灯になって光への変換効率は格段によくなり、最近は光半導体の出現で明るさを得るための電力は極端に少なくなった。加えて鮮やかな色が出る。明るさを得るためのエネルギーは少なくてすむ時代になった。年末の仙台繁華街を彩るイルミネーションの光半導体がかもし出す色模様と点滅は実にきれいだ。

 電灯が発明される以前の夜はどんなであったか、想像もできなくなっている。
 ゲーテが臨終の際に「もっと光を」という言葉を発した。哲学的意味をもつものかと思ったものである。だが、ゲーテは意外にも科学的に光と色の研究をしていたようなのだ。それをベースに発展した光を重視するモネーなど印象派の絵が出てきたのだという。光に映える水蓮の絵など、それまでにはなかった感覚の絵画が出現したのである。
 自然も光の芸術を作り出す。天にかかる虹の美しさはたとえようもない。太陽の恵みのひとつである。

 私は金属の加熱で光と色を経験した。6百度くらいで赤みを帯び、さらに温度が高くなると橙色から白みがかった色へと変化していく。慣れてくると色を見ておおよその温度の推定ができる。内部の金属組織は複雑に変化しているのだが、外部から見る限りは光と色の世界である。

 アインシュタインの相対性理論は、時間とは光の速さであり、光速に近づくほど時の流れは遅くなり、遠いところへの宇宙旅行が可能なのだとされている。光に関する面白さだが何百年か後には実現するのであろう。
 光にまつわることを拾い出してみた。光陰矢の如しとか、光輝く頭だとかいろんな言葉が思い浮かぶ。光源氏は華やかなる君である。紫式部はいいネーミングをしたと思う。
Commented by 泉ようこ at 2004-12-10 02:33 x
光だけでいろいろ文章が書けるものですね。

10w程度で60wの明るさになるとかいう電球を買いました。
しばらくつけておかないと、明るくはならないのですが、どうしてそんな電球を考えたのか不思議です。

最初はとても暗いので、こんな電球では使い道がないと思いましたが、長時間つけているスタンドに利用したら、使えるではありませんか。


Commented by watari41 at 2004-12-10 08:34 x
 新しい電灯を作るために電球メーカーでは、実にいろんなことを考えているものです。現職の頃、あるメーカーから発光に関しての新規なアイディアがあるので、それを実現できる金属はないかと問われたことがありました。残念ながらそれは実現しませんでした。今もいろんなことを考えている人が多くいるものと思います。なにしろ最初の電球はエジソンが竹の繊維に電気を通じたものなのですから。ようこさんコメントをありがとうございます。
by watari41 | 2004-12-07 08:59 | Comments(2)