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余日録


by watari41

丸い円

 究極の図形とか、完成された形ともいわれるのが「円」である。最短の周囲で最大の面積を得る形だ。
 どこかの古刹に掛け軸の中央に円が一つだけバランスよく描かれた禅画があった。これで全世界を表すのだという。
 なぜコンパスを使わなか問われた画家は、幾何学的円ではなく心円を画くのだという言葉を発していた。
 最も安定感のある図形でもある。丸くなるは、良い意味で使われることが多い。角がとれてまるくなってきた人であるとか。

 また、円には3.14というパイがつきまとう。この数字が計算されたのは、そんなに大昔ではないのだがピラミッドの底辺の長さがパイに関係した数字であるというので話題になったことがあった。これはその後、基準直径を持った円盤を転がすことによって長さを計測したためであることがわかって、謎が解けた。

 土俵の直径は15尺の円である。これは狭いという議論もあるが、周囲の俵を利用して回り込むと無限の広がりがあると同じであり、決してせまくはないという相撲解説をしている親方の見解を聞いたことがあった。だがそれは理屈であって、そうできるには並の修行ではできないとも言っていた。

 旋盤という金属などを削る機械がある。丸い形を削るものである。世の中の物を削る機械のうち7、8割は旋盤が占めている。すなわち我々の周りに存在するかなりのものは「丸い円」だといえる。
Commented by schmidt at 2004-12-06 00:58 x
  「円周率」を延々と計算するという話を聞くたびに、子供のころからずっと不思議に思っていたのですが、「完全な円」というものを物理的に作れない限り、円周率を計算する分母と分子さえ、正確にはつあkめないように思うのです。「完全な円」を作れる人がもしいるのだとしたら、その人は「円周率」とは何かを正確に(最後まで?)分かっている人のような気がします。凡人には分からない世界です。
Commented by watari41 at 2004-12-06 10:15 x
 完全な円とはなにか。いいご指摘です。面白いテーマになりそうです。円のことを研究した江戸時代の和算家のことを、作家の鳴海風さんという方が「円周率を計算した男」というタイトルで書いておりました。数年前に読んだのですが、面白い本でした。現役のサラリーマンで、東北にもゆかりの方のようです。
 当初の計算は、円に内接する多角形の数をどんどん増やしていって、無限大となる多角形、それが円だという考え方での計算。
 あるいは、円に内接する正方形を作り、円との余白をさらに小さな正方形で埋めていき、円との余白がなくなるまで無限の小さな正方形を作っていくという考え方で、いずれもその面積と直径からパイを求めるというような考えみたいです。多少説明に怪しいところがありますが、当たらずとも遠からずだと思います。
schmidtさん、いいコメントをありがとうございます。
Commented by hanako at 2004-12-11 10:02 x
今まで気にした事はありませんでしたが「完全な円とは?」
私もいろいろ調べたいと思います
Commented by watari41 at 2004-12-11 20:14 x
hanako さん、コメントをありがとうございます。真円とはなんでしょうね。
by watari41 | 2004-12-05 07:12 | Comments(4)