人気ブログランキング | 話題のタグを見る

余日録


by watari41

化学技術者

 多賀城にある大手メーカーの人事部長から面白い話を聞いたことがあった。30年ほど前のことだ。製造技術を高めるためにそれまで採用していなかった「化学技術者」を大量採用したことがあったという。その時の経験談である。
 それまでの主力であった電気・機械系技術者たちと比べると、違う人種のように感じたというのである。唯我独尊というか、個人的な行動が非常に多いのだという。
 製品が得意先からクレームがつくと、第一報を受けて従来の技術者はまず何が原因かを考え、対策まで検討しているころに、事故をおこした現物が到着する具合だったという。ところが化学技術者は、第一報にそんなはずはないとつっぱねてしまうのだということだ。その現品が到着しても、相手の使い方が悪かったのではないのかと考えてしまうという。つまり、こちらが悪いとはなかなか認めようとしないのだというのだ。
 それに加えて団体行動が苦手なのだという。そういった習性を矯正しようとして、地元の祭りに共同参加させたり大変な苦労をしたというのだ。

 私は何も化学技術者をなじったりするつもりではなくて、聞いたままのことを記したのである。教育の一つの成果なのであろうと思ったのである。私は化学は苦手なのだが、決められた法則に則って化学反応が起こるので、それが決まった通りに起きないのは何かの間違いがあるのだと考えるのだろう。
 これは私の勝手な解釈で化学専門家が聞いたら怒られそうだが、そんな感じをもっていた。だがこれは昔のことで、現在の化学技術者はこうではないのだろうと思う。だが、その人が受けた教育によって考え方や行動が左右されるのは確かなことだ。
by watari41 | 2004-11-14 11:03 | Comments(0)